世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2023-01-01から1年間の記事一覧

【読了】苫野一徳「教育の力」

今年117冊目読了。熊本大学教育学部専任講師にして、若手の教育哲学者である筆者が、教育界に渦巻く不幸な対立を乗り越え、みんなのための、より『よい』教育のあり方を提示する一冊。 畏敬する先達が薦めていたので読んでみたら、なるほどこれは良書だ。自…

【読了】久坂部羊「人はどう老いるのか」

今年116冊目読了。医師にして小説家の筆者が、医者はホントは知っている楽な老い方、苦しむ老い方を解き明かす一冊。 筆者の「人はどう死ぬのか」があまりにも心に響いたので読んでみたら、こちらも読み応え十分の良書だ。 最近の若造り絶対という風潮に対し…

【読了】久坂部羊「人はどう死ぬのか」

今年115冊目読了。医師にして小説家の筆者が、数々の死を目の当たりにしてきた経験から終末医療、死との向き合い方を考察する一冊。 終末医療に向き合った筆者が「悲惨な現実や辛口の指摘を書いたが、それは危機管理として、心の準備をするために必要だと思…

【読了】梯久美子「サガレン」

今年114冊目読了。ノンフィクション作家の筆者が、樺太(サハリン)で境界を旅する一冊。 旧日本領であり、個人的に行きたい(でも行くにはハードル高い)場所、樺太。なので読んでみたら、面白いのだが、後半は宮沢賢治に寄り過ぎていて少し疲れた… 近くて…

【読了】岸見一郎「人生は苦である、でも死んではいけない」

今年113冊目読了。奈良女子大学文学部非常勤講師で、アドラー心理学研究の第一人者である筆者が、人生について掘り下げて論考する一冊。 もともと筆者の主張はけっこう好みに合っているのだが、筆者自身の経緯を織り交ぜて書かれた本書は新書ながら迫力があ…

【読了】アレックス・カー「ニッポン巡礼」

今年112冊目読了。アメリカ出身の東洋文化研究家、著述家の筆者が、日本の知られざる名所を来訪して、気づいたことをまとめた一冊。 日本人にとっては平凡であっても、それこそが意味がある、というのはやはり大事な視点なんだろうな。そして、特にそれが失…

【読了】小泉武夫「発酵食品と戦争」

今年111冊目読了。東京農業大学名誉教授の筆者が、発酵と戦争の意外な関係を掘り起こし、『発酵』の強靱さ、無限の可能性を解き明かす一冊。 大部分が戦時中の食糧統制の話で、タイトル倒れな感は否めない。ただ、さすが農学者だけあって、いくつか面白い記…

【読了】岡本亮輔「聖地巡礼」

今年110冊目読了。北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院准教授の筆者が、世界遺産からアニメの舞台まで、聖地巡礼について考察する一冊。 観光に携わる者としては、聖地巡礼というのも一つの切り口(歴史的なものか、アニメかによらず)。なので、タ…

【読了】大竹敏之「間違いだらけの名古屋めし」

今年109冊目読了。名古屋のことだけを書く、自称”名古屋ネタライター”の筆者が、名古屋めしの歴史を紐解き、誤解を指摘する一冊。 名古屋には2度住んでいたので、なかなか面白く読める。それに、知らないことが多くてびっくり。 名古屋めしの特徴で、観光コ…

【読了】竹内正浩「新幹線全史」

今年108冊目読了。地図や鉄道、近現代史をライフワークに取材・執筆を行う筆者が、「政治」と「地形」で新幹線の歴史を解き明かすことを目指した一冊。 この本は本当に興味深く読めた。それにしても、本当に政治と地形に翻弄されてきた歴史がよくわかる。全…

【読了】森由香子「50歳からは『食べやせ』をはじめなさい」

今年107冊目読了。管理栄養士にして日本抗加齢医学会指導士の筆者が、50代のダイエットは健康寿命の分岐点として、一生元気でいる食べ方を最新栄養学から提唱する一冊。 アラフィフとしては、非常に気になるタイトルの本。そして、その主張は確かに適切だな…

【読了】猪瀬直樹「空気と戦争」

今年106冊目読了。執筆当時は東京大学客員教授で東京都知事に就任したばかりの筆者が、東京工業大学の学生に向けた『時代に流されずに生きるとは』という講義を書籍化した一冊。 筆者の「昭和十六年夏の敗戦」を読んでいたから事柄は知っていたが、改めてこ…

【読了】山口仲美「日本語が消滅する」

今年105冊目読了。埼玉大学名誉教授の日本語学者である筆者が、日本語の魅力を再発見し、誇りを持つための教養書として記した一冊。 衝撃的なタイトルに違わず、なかなかショッキングな論が続く。英語教育を過度に推し進めることのリスクも、この本はよく示…

【読了】藤本梨恵子「いつもよりラクに生きられる50の習慣」

今年104冊目読了。ファイン・メンタルカラー研究所代表の筆者が、偉人たちの名言を通じて心を整え、生きづらさを解消することを提唱する一冊。 畏敬する先達がお薦めしていたので読んでみた。筆者自身が「すべての心理学は半完成品。あなたの人生の課題に合…

【読了】今谷明「近江から日本史を読み直す」

今年103冊目読了。国際日本文化研究センター教授の筆者が、日本の東西の巷であり、地政学の要であった近江を歴史から読み解く一冊。 関西エリアの中ではどうしても存在感が薄くなりがちな滋賀県だが、こうして歴史を紐解くと大いなる要衝であることがわかる…

【読了】佐々涼子「ボーダー 移民と難民」

今年102冊目読了。フリーライターの筆者が、日本語教師時代に在留外国人の苦悩を知ったことから、その実態を深く掘り下げる一冊。 元・会社の友人から薦められた(しかも、中学生の御息女が読んでいたとのこと!)本だが、これは本当に考えさせられる… 筆者…

【読了】坂本貴志「ほんとうの定年後」

今年101冊目読了。リクルートワークス研究所研究員・アナリストの筆者が、「小さな仕事」が日本を救う、と提唱する一冊。 老後不安が蔓延している日本だが、本当にそうなのか?という疑問を実例とともに紐解いていくのは非常にわかりやすい。 筆者は、大枠と…

【読了】津野香奈美「パワハラ上司を科学する」

今年100冊目読了。神奈川県立保健福祉大学大学院ヘルスイノベーション研究科准教授の筆者が、パワハラについて多くの人がやってしまっている誤った対応を明らかにし、本当に防ぐにはどうすればいいのかに迫る一冊。 これも圧倒的な読書家である先達が薦めて…

【読了】森達也「虐殺のスイッチ」

今年99冊目読了。ドキュメンタリー映画やノンフィクション書籍で道を開いた筆者が、「一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか?」という疑問を提起する一冊。 圧倒的な読書家の先達がお薦めしていたので読んでみると、これはなるほど納得の良書。 …

【読了】斉藤徹「だから僕たちは、組織を変えていける」

今年98冊目読了。起業家、経営学者にして、ビジネス・ブレークスルー大学教授の筆者が、やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかたを説く一冊。 畏敬する先達が薦めていたので読んでみたら、なるほどこれは薦められることが納得だ。組織論を様々な方向か…

【読了】藤崎慎吾、田代省三、藤岡換太郎「深海のパイロット」

今年97冊目読了。サイエンスライターの筆者が、元深海潜水調査船パイロットと株式会社グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部部長とともに、6500mの海底に何を見たのか、そこから浮かび上がる事柄をまとめた一冊。 息子がイベントで田代省三氏の…

【読了】上杉和央「歴史は景観から読み解ける」

今年96冊目読了。京都府立大学文学部准教授の筆者が、「歴史と地理の交差点に立ち、全体を見渡す学問」として歴史地理学的見地から景観を見直すことを提唱する一冊。 正直、中身がマニアックすぎることは否めない。だが、それなりにポイントとなる主張は納得…

【読了】稲垣栄洋「生き物が老いるということ」

今年95冊目読了。静岡大学大学院農学研究科教授の筆者が、死と長寿の進化論という観点で生物の老死を考える一冊。 自身アラフィフで、親も老いている状況において手にしたが、なるほど農学の観点から老いについて考えるというのは非常に新鮮で、驚きばかりだ…

【読了】亀山陽司「ロシアの眼から見た日本」

今年94冊目読了。外務省でロシア課に勤務した後、現在は林業のかたわら執筆活動に従事する筆者が、国防の条件を問い直す一冊。 どうしても、物事は自分の都合で考えがちだが、まさに「逆から見るとどうなるか」ということを感じさせてくれる良書。そもそも、…

【読了】金田章裕「景観からよむ日本の歴史」

今年93冊目読了。京都大学名誉教授にして、京都府立京都学・歴彩館長、京都府公立大学法人理事長の筆者が、景観のなかに人々の営みの軌跡を探る一冊。 観光に携わる者としてタイトルに惹かれて手にしてみたが、どうにも面白くない…これは外れだな。でも、ま…

【読了】アレックス・カー「ニッポン景観論」

今年92冊目読了。アメリカ出身の東洋文化研究家、著述家の筆者が、日本の景観保全について大きく警鐘を鳴らす一冊。 日本に住んでいると当たり前と思うことが、この本での指摘を読むとそうではないんだな、ということを痛感。確かに海外の観光地との違いは歴…

【読了】山崎雅弘「アイヒマンと日本人」

今年91冊目読了。戦史・紛争史研究家の筆者が、「まじめ」を隠れ蓑にした思考停止に警鐘を鳴らす一冊。 新聞で紹介されていて読んでみた。こじつけ感は否めないものの、ジャニーズ事務所問題などが発覚した2023年においては、むしろ真に迫る感じがする。 ナ…

【読了】凪良ゆう「汝、星のごとく」

今年90冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、瀬戸内海の島に暮らす息苦しさとそこからの離脱を小説で描き出す一冊。 フェイスブックで畏敬する先達がお薦めしていたので読んだら、やはり良書。いかに人生、周囲の目に絡め取られて自分が自分らしく生きられて…

【読了】杉田俊介「男がつらい!」

今年89冊目読了。批評家の筆者が、資本主義社会の『弱者男性(未婚、非正規、孤独、美醜、貧困、非モテ)』論を展開する一冊。 新聞で紹介されていてタイトルで気になり読んでみた。…が、途中までは納得できるが、途中から「自身の心の叫び」にいきなり転換…

【読了】東浩紀「弱いつながり」

今年88冊目読了。批評家、哲学者である筆者が、インターネット時代に検索ワードを探す旅をすることを推奨する一冊。 非常に読みやすいながらも、中身は重厚で、とても面白く読むことができた。旅行業に携わる者として、これは興味深い ネットの特性について…