2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
今年105冊目読了。19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの哲学者が、笑いのメカニズムを追求した一冊。正直、かなり難解で、パッと理解するのはなかなか困難。ただ、SNSやスマホに慣れきっている時代だからこそ、こういった骨太な本を読む必要があると…
今年104冊目読了。元・赤旗記者としてピョンヤン特派員を務めたこともあるフリーランスの著者が、若い頃の朝鮮人の友との交流から、その皮肉な人生の荒波、そしてそれを招いた北朝鮮及び金日成体制への鋭い批判を事実ベースに書き起こした一冊。思想的に言う…
今年103冊目読了。茨城大学准教授の筆者が、加賀藩御算用者の幕末維新をその緻密な家計簿から読み解く一冊。映画化されても見向きもしていなかったのだが、この本は実に面白い。「御算用者」という会計係を務めることで、階級主義の穴である「実力主義エリア…
今年102冊目読了。東京外大教授、外務省専門調査員、在イタリア日本大使館広報文化担当官などを歴任した筆者が、ムッソリーニの生涯を通じてファシズムの何たるかを掘り起こす一冊。後発のナチズムのほうが圧倒的な迫力でヨーロッパを席巻し、嵐に巻き込んだ…
今年101冊目読了。津田塾大学教授の筆者が、終戦後から六者協議に至るまでの日朝交渉の歴史経緯を書き表した一冊。全体的に、北朝鮮への配慮トーンが強すぎないか?という感じはするものの、交渉の流れとその都度の挫折の経緯、内外的要因などが丁寧に描かれ…
今年100冊目読了。茨城大学講師の筆者が、満州事変後から国防婦人会がカッポウ着による兵士の見送りを行い出してからの興隆と、その終焉を描き出した一冊。これを読むと、戦後の後知恵で教育を受けた身としては「赤紙と、それに耐える…」というステレオタイ…
今年99冊目読了。外務省調査員としてモスクワ滞在し、慶応大学法学部教授になった筆者が、日露戦争は20世紀最初の大国間戦争と位置付けて見返してみた一冊。坂の上の雲に代表される「司馬史観」は、読み物としては面白いが日本人の「歴史からの学び」につい…
昨年、第一回国宝検定で上級を取り、「国宝の伝道師」の称号を手にすることができた。では、今年の開催は?と思って、問い合わせてみたところ、「恐れ入りますが、次回の詳細につきましては、未定となっております。 詳細が決定次第、随時ホームページにてご…
今年98冊目読了。警察庁幹部として、学園紛争と対峙した著者が、東大安田講堂の陥落に向けた72時間を実録として書き記した一冊。警察エリートでありながら、その精神、行動は豪胆。「外野守備の外事課長でヤジを飛ばしているより、主戦投手となって真っ向勝…
今年97冊目読了。昭和を駆け抜けた名作家の最初の著書にして、人間の暗部をどす黒く描き出す一冊。これは凄まじい衝撃を残す一冊だ。「こうあるべき」との社会からの圧力と、それに対して自分の感性がまったくずれてしまっている悲劇。自分なりには何とかな…
今年96冊目読了。近代史評論家である著者が、社会を騒がせた活字について当時の時代背景とともに紹介する一冊。これは非常に興味深い。二十世紀の特性として「無定型の大衆社会はちょっとしたバグによって急激なシステムダウンを起こし、予想もしない方向に…
神護寺。似絵は、藤原隆信が創始してブームを巻き起こした。等身大の絹に描いた着色画。本作は、三幅を奉納した際の「足利直義願文」から、足利直義とする新説があるが、当否は不明。位の高さを表した強装束、冠の後ろに垂直に立っている巾子(こじ)に髻を…
今年95冊目読了。昭和を駆け抜けた名作家の著者による、清純な恋の牧歌的小説。端的に言って「綺麗すぎる箱庭的な小説」。三島由紀夫自身の人生への向き合い方、ストイックさ、燃える情念とその最期を考えると、あまりにも予定調和の綺麗さにまとまっている…
今年94冊目読了。毎日新聞記者の筆者が、失われた世代の視点から新左翼の精神の系譜を書き記した一冊。いわゆる「ロスジェネ」と呼ばれる世代の現代の閉塞感には、新左翼の勃興期から存在した「自分探し」が通奏低音として繋がっている、というダイナミック…
今年93冊目読了。歴史作家である筆者が、ノモンハン事件における作戦意志決定の流れを検証し、秀才揃いの作戦将校たちの無能、楽観、優柔不断が引き起こした惨事を厳しく糾弾する一冊。旧帝国陸軍の作戦将校が起こした「人災」ともいうべきノモンハン事件。…
今年92冊目読了。株式会社メタップス代表取締役社長の筆者が、新しい経済のルールと生き方を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 今後の社会、経済がどうなるかに興味のある人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★★★自分の問いは3つ。…