世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】尹雄大「聞くこと、話すこと。」

今年10冊目読了。テレビ制作会社を経てライターになった筆者が、人が本当のことを口にするときはどういうときか?を考察する一冊。 とにかく洞察が深い部分が多く、すぐに活かすノウハウではなく、染み入るような深みがある。噛み締めながら読むべき本だと感…

【読了】マリア・レッサ「偽情報と独裁者」

今年9冊目読了。ノーベル平和賞を受賞したフィリピンのジャーナリストである筆者が、SNS時代の危機に立ち向かうことを力強く提唱する一冊。 とても分厚い本だが、フィリピンが独裁者に占拠されていく様、そしてそれにソーシャルメディアが恐ろしい役目を果た…

【読了】茂木健一郎「IKIGAI」

今年8冊目読了。脳科学者の筆者が、日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣「生きがい」について深く考察する一冊。 もともと英語で書いた書物を和訳するという逆輸入版だが、なかなか興味深い。ただ、共感できる部分とそうでない部分がそれなり明確にあるの…

【読了】伊東潤「城を攻める 城を守る」

今年7冊目読了。歴史小説家である筆者が、小説ではなく事実に依拠して城の魅力をさまざまな戦いから描き出す一冊。 筆者の小説「利休」が面白いことと、城好きなので読んでみたが、さすがの面白さ。 城の魅力について、筆者は「なぜ、ここに堀切や竪堀を入れ…

【読了】千田嘉博「歴史を読み解く城歩き」

今年6冊目読了。城郭考古学者にして奈良大学文学部文化財学科教授の筆者が、城歩きをし、城と対話することで歴史の真実に迫ることを薦める一冊。 どういう風の吹き回しか、子どもたちが城好きになり、流れで城郭検定二級を取得した者としては、非常に興味深…

【読了】石山恒貴「定年前と定年後の働き方」

今年5冊目読了。法政大学大学院政策創造研究科教授の筆者が、「シニアを一括りの集団とみなさず、個人の違いにこそ注目する。そうした思考法の違いによってこそ、シニアの幸福な働き方は実現していく」として、サードエイジを生きる思考を掘り下げていく一冊…

【読了】保阪正康「戦争の近現代史」

今年4冊目読了。昭和史を語り継ぐ会主宰にしてノンフィクション作家の筆者が、「日本人は戦いをやめられるのか?」という命題に挑戦する一冊。 戦争について「人類の争いごとは①食べ物②種族の保存・維持③安心感や尊厳、に絞られる」としたうえで、現代にいい…

【読了】福田充「新版 メディアとテロリズム」

今年3冊目読了。日本大学危機感理学部教授、同大学院危機管理学研究科教授の筆者が、テロの歴史とそれを報じるメディアの負のスパイラルを脱する道を探る一冊。 安倍晋三元首相襲撃事件、岸田文雄首相襲撃事件を受け、2009年の本に加筆されたものであるが、…

【読了】平野啓一郎「私とは何か」

今年2冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、『私』という存在を「個人」から「分人」へ捉え直すことで、生きやすくなることを提唱する一冊。 筆者の小説が好きなのと、畏敬する先達が薦めていたので読んでみた。なるほど、これは読み応え十分。 筆者は、この…

【読了】城山三郎「臨3311に乗れ」

今年1冊目読了。企業小説を得意とする筆者が、近畿日本ツーリストの前身である「日本ツーリスト」の立ち上げとバイタリティ、熱量について熱く記した小説。 とにかく、日本ツーリスト社長の馬場勇の熱量と行動力に圧倒される。戦後の旅行業創生期にこんなこ…