世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】丹羽真理「パーパス・マネジメント」

今年49冊目読了。Ideal LeadersのChief Happiness Officerである筆者が、社員を幸せにする経営について書き記した一冊。〈お薦め対象〉 社員の「本当の」働き方改革を考えるリーダー 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★☆☆自分の問…

【読了】ジェイムズ「ねじの回転」

今年48冊目読了。ニューヨーク生まれでイギリスで活躍した「小説の技法を極めた」と評される筆者が書き表した戦慄の物語。間接間接話法とでも言うべき独特の表現で展開される物語は、初めの穏やかさにもところどころ異常さが散りばめられており、読み始めた…

【国宝・赤糸威大袖付】

大山祇神社所蔵。やや小さめの黒漆塗りの鉄と、革の平小札を茜染の赤糸で威した鎧。銅は31センチで一続きになっていて、右脇で引き合わせるつくりに。この時代の鎧と胴丸の特色を兼ね備えた鎧で、社伝では源義経の奉納品。ここは、海の守り神であり、多くの…

【読了】モーパッサン「宝石/遺産」

今年47冊目読了。 19世紀フランスが生んだ偉大な作家の中編、短編小説を集めた一冊。表題作の「宝石」は、パートナーの謎に包まれた二面性を強く感じさせ、またラストのわずかな文での強烈なインパクトがたまらない。「遺産」は、人間のエゴが剥き出しでぶつ…

【強みは自覚できず、周囲は把握しているというギャップ。】

SNS上で、凄い友人が「凄い!」と言われたことに対し「自分にとっては普通だし、本人は(何が凄いか)わかっていない」との返しをしていた。そこから考えたこと。《ポイント》 ●得意、強みは自分にとっては当たり前。 人は、なぜ「得意、強み」が自覚できな…

【イチロー引退によせて:仰木監督の命名の凄さ。】

いまさらイチローの凄さについては素人が語るまでもない。そこで、あえて「オリックスでブレイク前に仰木監督が『イチロー』と名付けたこと」について、考えてみた。《ポイント》 ●カタカナ表記も、すんなりは行わず。 今やだれが見ても「イチロー」が当たり…

【ドコモショップで考えた。】

料金プランが最適かどうかわからなくなってきたし、ネットで見てもどうも理解できないので、ドコモショップへ足を運ぶ。そこで、感じたこと。 《ポイント》 ●直接応対は、安心感がある。 なんだかんだ言っても、ドコモショップみたいな店舗がいまだ健在なの…

【国宝:翰墨城】

MOA美術館所蔵。古筆手鑑「翰墨城」は、「藻塩草」(京都国立博物館蔵)「見ぬ世の友」(出光美術館蔵)とともに、古筆三大手鑑の一つとして夙に名高い。手鑑の中でも早い時期に成立したと考えられ、鑑定の基本台帳として古筆家別家の古筆了仲(りょうちゅう)…

【読了】モーパッサン「脂肪の塊/ロンドリ姉妹」

今年46冊目読了。19世紀フランスが生んだ偉大な作家の中編、短編小説を集めた一冊。表題作の「脂肪の塊」は、人間のうわべの綺麗事と、内面のドロドロ、そして状況が変わったときの軽薄な手の平返しを見事に描き出している。不快感しか残らない読了感だが、…

【読了】ブレヒト「ガリレオの生涯」

今年45冊目読了。ドイツの劇作家、演出家、詩人である筆者による、ガリレオ・ガリレイの地動説から異端裁判、その顛末までを劇作として描いた一冊。ブレヒトの軽いタッチで、しかしながら重たい話のやり取りが進んでいく様は、とても面白い。先見の明がある…

【子供たちに褒められた自炊。】

シフト休み、嫁が所要、娘(8歳)も息子(5歳)も食事なし。ということで、3人分の昼食を作ることに。<昼食> ・ツナのトマトパスタ ・キャベツと玉ねぎのコンソメスープ 所要40分。ありもの食材で切り回すとなると、このくらいになる。別にパスタだけでも…

【仕事に追われる気持ち。】

よく聞く、かつよく感じる言葉で「仕事に追われる」がある。今日は、あれこれ想定外があり、専らトラブルシューティングに終始した…そこから、感じたこと。《ポイント》 ●他者調整の多さは、不安を生む。 仕事上「他者調整」は不可避である。なぜなら、仕事…

【読了】長谷川晶一「虹色球団」

今年44冊目読了。野球、格闘技、芸能を幅広く手掛けるノンフィクション作家が、日拓ホームフライヤーズの10ヶ月を今に蘇らせた一冊。1973年にだけ存在したプロ野球球団、日拓ホームフライヤーズ。「不動産オーナーが、売名(広告宣伝)のために一年だけ保有…

読了番外編・Eiko「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」

本を読んだらすぐ感想…でも、この手の本は検証が必要。ということで、自分という身体を使って人体実験。本には四週間分のメニューと、60を過ぎてベターッと開脚している人の写真、そして開脚小説(笑)が載っている。〈良かった点〉 ・コストがかからない。準…

【「わかる」と「できる」の違い。】

「わかる」と「できる」。同じようであって、まったく違う中身。簿記の勉強をしていて、それを痛感したので、考えてみた。《ポイント》 ●文字を追うだけでの「理解」は難しい。 書物やマニュアルを眺めると、なんとなく「あ、わかった。」という感覚に陥る。…

【読了】ブレヒト「暦物語」

今年42冊目読了。ドイツの劇作家、演出家、詩人である筆者による、「ちょっといい話」の短編集。簡単に読めるうえに、どれも機智に富んでおり、「ははぁ、なるほど」「お、これは面白い」など、軽くて教訓めいた感じではないのに、人生訓を巧みに織り込んで…

【読了】ロバート・スティーブンソン「宝島」

今年41冊目読了。冒険小説の定番中の定番であり、さまざまな形でのリメイクもされている海洋冒険小説。主人公が子供であるためか、子供向けとされてしまっており、またドラえもん映画2018でもモチーフとされている。もちろん、娯楽小説、ご都合主義と感じら…

【既存の枠で考える癖。】

新しい事態にぶち当たった時には、自分の思考も新しくしなければならない。 …しかし。なかなか、その方向に動くことを許さないのが組織の魔力。そこについて、考えてみた。《ポイント》 ●一番風呂を避ける。 新しいことは、嫌われがち。なぜなら、失敗したく…

【読了】デービッド・アトキンソン「国宝消滅」

今年40冊目読了。元ゴールドマン・サックス金融調査室長にして小西美術工藝社社長の筆者が、日本文化と経済の危機を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 観光、文化財に関わるすべての人 〈お薦め度(5段階評価)〉 ★★★★★ 〈実用度(5段階評価)〉 ★★★★★自分の問…

【読了】 アラン・ブリスキン、シェリル・エリクソン、ジョン・オット、トム・キャラナン「集合知の力、衆愚の罠」

今年39冊目読了。コレクティブ・ウィズダム・イニシアチブ共同設立者、コレクティブ・ウィズダム・イニシアチブ研究責任者、スタンフォード大学法学博士、フェッツァー財団上級顧問の筆者陣が、人と組織にとって最もすばらしいことは何かを書き記した一冊。…

【読了】フケー「水の精(ウンディーネ)」

今年38冊目読了。ドイツ貴族の出で、軍人になりながらも途中から作家に転じた筆者の代表作で、人と水の精の不思議な恋愛とその結末を描いた一冊。 森に迷い込んだ騎士と、そこで出会った水の精、そして騎士を想う女性、という三角関係はある意味鉄板の定番で…

【読了】ヘッセ「デミアン」

今年37冊目読了。 神学校をドロップアウトし詩人になった筆者が、少年から青年に進みつつある人物の苦悩と交流を描いた一冊。ひょんな事から、善良そのものの道から外れ、暗い世界に足を踏み入れてしまう主人公。そして、それを助けるも、寧ろ問いを投げかけ…

【読了】ヘッセ「車輪の下に」

今年36冊目読了。神学校をドロップアウトし詩人になった筆者が、自身の経験を下敷きにしながら若者の苦悩を描く一冊。エリートの主人公の全能感から、天才肌ながら魅力的な友人に惹かれていく様子、そしてそれによって道を外れていく過程が怖ろしくリアル(→…

【読了】宮崎市定「大唐帝国」

今年35冊目読了。京都大学文学部長を務めた著者が、中国の中世を圧倒的なスケールで描き出した一冊。畏友(というのもおこがましいのだが)がお薦めしていたので、これは歴史の勉強になるだろう、と手に取ったが、実に素晴らしい。中国史は、個別の権力者の…

【読了】中土井僚「図解 U理論の基本と実践がよ~くわかる本」

今年34冊目読了。セルフリーダーシップ開発のU理論を日本で広める著者が、組織開発に寄った形でU理論の実践的活用を提唱する一冊。オットー・シャーマー博士の「U理論」は550ページ以上あり、かつ難解な表現が多いため、極めて読むのに骨が折れるのだが、こ…

【無知は罪悪、の罠。】

親父から40年来(恐らく3歳の頃にはもう言い出していただろう)聞かされた言葉に「無知は罪悪なり」がある。この言葉を信じて生きてきたのだが、ふと「ホントにその言葉だけか?」とヤフー先生にお伺いを立てたところ、「無知は罪なり、知は空虚なり、英知持…

【国宝:色絵藤花紋茶壺】

17世紀後半、MOA美術館、静岡。丸く張った膨らみのある茶壺形に描かれた、咲き誇る藤花と葉、蔓。球面の曲面を生かし、藤花が風になびく動きを巧みに表している。下部は塗り残して赤く焼けた生地を帯状に見せる。白釉地の上に花穂や葉と蔓を赤、緑、金銀彩で…

【読了】ロバート・ゴーフィー/ガレス・ジョーンズ「ドリーム・ワークプレイス」

今年33冊目読了。ロンドンビジネススクール名誉教授と、IEビジネススクール客員教授の筆者(二人ともクリエイティブ・マネジメント・アソシエイツ共同設立者)が、だれもが最高の自分になれる組織の作り方を書き記した一冊。〈お薦め対象〉 組織を働きやすい…