世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

[読了】梨木果歩「海うそ」

今年174冊目読了。超ベストセラー作家が、昭和の初めに離島を調査した人文地理学の研究者のフィールドワークと、50年後の縁を描く一冊。 学生の頃の友人に強く薦められて読んでみたが、なるほど、それだけの読み応えがある。これは面白い。 自然に対する主人…

【読了】長嶋有「猛スピードで母は」

今年173冊目読了。筆者の芥川賞受賞作の表題曲と、その前回に芥川賞候補になった2本がまとまった一冊。 もともと、変なタイトルだなぁと思っていた小説で、三谷宏治のお薦めで読んでみたが、ザラザラしつつも少し安心しつつ、それでも最後にトゲが残る、とい…

【読了】スティーブン・レヴィ―「暗号化」

今年172冊目読了。ニューズウィーク誌のチーフ・テクノロジー・ライターの筆者が、10年にわたる取材に基づいて、プライバシーを救った反乱者たちの物語に迫る一冊。 物語としての「国家権力とそれに対抗する者たち」の面白さと、暗号開発の面白さの両面があ…

【読了】ジャック・アタリ「命の経済」

今年171冊目読了。フランス大統領顧問、欧州復興開発銀行初代総裁を歴任した筆者が、「パンデミック後、新しい世界が始まる」としてコロナ禍とその後を読み解く一冊。 コロナ禍の2020年7月に書かれた、洞察に満ちた本。もちろん、フランス人である筆者の見方…

【読了】神林長平「アンブロークン アロー」

今年170冊目読了。「言葉」「機械」などを重層的に扱う人気SF作家が、地球と異星体との戦いを通じて、人間というものを描き出すSF小説の続篇。 「戦闘妖精・雪風<改>」「グッドラック」のさらに続篇。SFから、どんどん哲学議論に入り込んでいくような話に…

【読了】君塚直隆「立憲君主制の現在」

今年169冊目読了。関東学院大学国際文化学部教授の筆者が、ヨーロッパの立憲君主制を紐解きつつ、日本人は「象徴天皇」を維持できるか、を考察する一冊。 SNSで薦めている人がいたので読んでみたが、なるほど読み甲斐がある。ちと前半が冗長で、世界史の知見…

【読了】宮部みゆき「龍は眠る」

今年168冊目読了。ミステリーの名作家が繰り出す、特殊能力とその苦悩、そして巻き込まれる事件から、人間の深い懊悩を描き出す一冊。 これはホントに深くて面白い。500ページ越えの文庫本だが、一気に読んでしまった。ネタバレは避けたいので、気になったフ…

【読了】アルフレッド・ウェゲナー「大陸と海洋の起源」

今年167冊目読了。大陸移動説を唱えた偉大なるドイツ学者の著書を、今によみがえらせる一冊。 社会系の科目は嫌いではないのだが、それでもあまりに専門的すぎて、読みこなすには至らず…正直、ここまでの詳細な検証をしたことへの驚き以外はなかなか残らず……

【読了】羽生善治「決断力」

今年166冊目読了。史上最強と言われた将棋棋士の頂点であり、今なおタイトル戦に挑むという超人的な実力を見せる筆者が、全盛期に決断力についてまとめた一冊。 新書だからといって読みやすいと油断してはいけない。鋭い記述がそこここにあり、本当に勉強に…

【読了】デビッド・ヴァイス、マーク・マルシード「Google誕生」

今年165冊目読了。ピュリッツァー賞受賞経験のある「ワシントン・ポスト」紙記者と、「ワイアード」誌の共同創刊者である筆者が、ガレージで生まれたサーチ・モンスターの背景とその成長をまとめ上げた一冊。 かなり記述が詳細で読み疲れるのが難点だが、こ…

【読了】熊平美香「リフレクション」

今年164冊目読了。昭和女子大学キャリアカレッジ学院長、一般社団法人21世紀学び研究所代表理事を務める筆者が、自分とチームの成長を加速させる内省の技術についてまとめた一冊。 とても読みやすいが、実践が難しい。リフレクションワークをしながら深めて…

【読了】神林長平「グッドラック」

今年163冊目読了。「言葉」「機械」などを重層的に扱う人気SF作家が、地球と異星体との戦いを通じて、人間というものを描き出すSF小説の続篇。 三谷宏治のお薦めで読んでみて、激ハマりした「戦闘妖精・雪風<改>」の続篇だけあって、面白さがさらに深まっ…