世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】佐渡島庸平「観察力の鍛え方」

今年24冊目読了。株式会社コルク代表取締役社長の筆者が、一流のクリエイターは世界をどう見ているかを明かしていく一冊。 これは面白過ぎるし、深すぎる。これが新書というのが驚きだ。この本は、繰り返し読んで、自分の中で解像度と解のレベルを上げていく…

【読了】世古詢一「対話型マネジャー」

今年23冊目読了。サーバントコーチ代表取締役の筆者が、部下のポテンシャルを引き出す最強育成術を提唱する一冊。 どちらかというと技術論に寄りすぎているようにも感じるが、筆者が「実践の手引き」と述べているとおり、その点はある程度仕方ないのだろう。…

【読了】鈴木光司「楽園」

今年22冊目読了。「リング」「らせん」でホラーイメージの強い筆者が、初期に書いたファンタジー小説。 毎度の三谷宏治お薦めで読んでみた。確かに、3つの時も場所も超えた世代に交錯する壮大なストーリーがよくできている。ただ、最初の2つはいいが、最後…

【読了】西岡常一、小原二郎「法隆寺を支えた木」

今年21冊目読了。法隆寺や薬師寺の修復工事を務めた「昭和最後の宮大工」と呼ばれる筆者と、千葉大学工学部長・千葉工業大学常任理事を務めた筆者が、日本人と木の関係性を掘り下げて考察する一冊。 途中、あまりにもマニアックな分析にまではいり込んでやや…

【読了】森絵都「カラフル」

今年20冊目読了。ベストセラー作家が、ある人物の不思議な体験を通じて、人生の深淵を覗き込むように理解していく小説。 児童向けというが、これは凄く深い中身だ。心理学やら社会学やらいろいろな本を読みつけてきたが、その要素がすべてこの本で小説という…

【読了】本郷和人「承久の乱」

今年19冊目読了。東京大学史料編纂所教授の筆者が、鎌倉幕府初期の実態と承久の乱の背景、その後について一気に掘り起こす本。 ちょうど「鎌倉殿の13人」が大河ドラマで放映されているので読んでみたので、興味深く読み進めることができた。特に、この時代は…

【読了】伊藤潤「巨鯨の海」

今年18冊目読了。歴史小説を得意とする筆者が、捕鯨で栄える太地町を舞台に、6篇の短編小説から人の生きざまと自然(鯨)との関わりを掘り下げる一冊。 6篇とも、巧みな伏線を張って回収していく、という筆者の手腕の冴えもさることながら、鯨を尊重しながら…

【読了】出口治明「自分の頭で考える日本の論点」

今年17冊目読了。ライフネット生命の創業者にして、立命館アジア太平洋大学学長の筆者が、日本の抱える問題点について「自分で考える」ことを促す一冊。 新書としては驚くくらいの分厚さに、良質な問いがいくつも掲載されている。読むというより、実際に自分…

【読了】鮎川詢裕子「最高のリーダーほど教えない」

今年16冊目読了。エグゼクティブコーチ、組織開発コンサルタントの筆者が、部下が自ら成長する気づきのマネジメントを提唱する一冊。 言っていることは、今までいろいろ学んでいたこと(主にU理論)と親和性が高く、そんなに新しい発見があったという感じは…

【読了】内田樹、釈徹宗「聖地巡礼 熊野紀行」

今年15冊目読了。思想家であり武道家と、浄土真宗本願寺派如来寺住職にして相愛大学教授の筆者が、実際に熊野古道を歩きながらその気づきを織りなしていく一冊。 この本が述べようとしている「聖地巡礼のテーマは『場と関係性』。単に宗教性が高い場所へと赴…

【読了】夢枕獏「上弦の月を喰べる獅子」

今年14冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、螺旋に取り憑かれた主人公の数奇な体験を通じ、世の中や死生観を揺さぶる一冊。 500ページ以上、ハードカバー二段書きで、最初はしんどく、「読むのやめるかな」とも思ったが、少し読み進めるとグイグイ惹き込ま…

【読了】羽生善治「簡単に、単純に考える」

今年13冊目読了。最高峰の将棋棋士である筆者が、神戸製鋼ラグビー部GMの平尾誠二氏、スポーツジャーナリストの二宮清純氏、カーネギー・メロン大学教授の金出武雄氏と対談する一冊。 2001年の本であるが、20年前に書かれたものとは思えないほど今も生き生き…

【読了】恩田陸「エンド・ゲーム」

今年12冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、独特の世界観で描き出すホラー小説のようなファンタジー小説。 「裏返す」「洗濯」など、謎の世界観が渦巻く中で、何が虚であり何が実であるのか、というのがどんどんわからなくなっていく。これも三谷宏治お薦め…

【読了】梨木果歩「炉辺の風おと」

今年11冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、新聞に連載していたエッセイを書籍化したもの。 大学時代の友人に強く薦められて読んでみたが、なるほどこれは面白い。前半は、筆者の馥郁たる香り高い文章による自然の味わいを楽しむ内容なのだが、後半になって…