世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】井出明「悲劇の世界遺産」

今年133冊目読了。金沢大学国際基幹教育院准教授の筆者が、ダークツーリズムから見た世界を書き記した一冊。 図書館で何気なく手にしたのだが、なかなか洞察が深く、学びになった。 筆者は、ダークツーリズムを「戦争や災害などの悲劇の記憶を巡る旅」と定義…

【読了】伊坂幸太郎「逆ソクラテス」

今年132冊目読了。ベストセラー作家が、小学生を主人公にした短編小説5編をまとめた一冊。 筆者は、あとがきで「子供を主人公にする小説を書くのは難しい」と記しているが、なんのなんの。安定の筆致の冴えは、いかにも伊坂ワールドで、満喫できる。 ネタバ…

【読了】デヴィッド・グレーバー「クソどうでもいい仕事の理論」

今年131冊目読了。文化人類学者にしてアクティヴィストの筆者が、現代社会で「なくなっても差支えない仕事」が増殖する状況を読み解く一冊。 超分厚い本で、かつ話が非常に細かいので読み疲れ感が否めない。だが、核心を突いている、という感覚もまた凄い。 …

【読了】伊坂幸太郎「魔王」

今年130冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、不思議な能力を持つ兄と、その弟が別の能力を引き継ぐ、という奇妙なストーリーながら、妙な実感を持たせて進んでいく小説。 いかにも伊坂幸太郎らしい小説。そこここに、様々なメッセージが盛り込まれていると…

【読了】アントニオ・ダマシオ「ダマシオ教授の教養としての『意識』」

今年129冊目読了。南カリフォルニア大学ドーンシフ記念教授にして、脳・創造性研究所所長の筆者が、機械が到達できない最後の人間性を解き明かそうと試みる一冊。 畏敬する先達が薦めていたので読んでみた。これはなかなか難解だが、芯のメッセージは『身体…

【読了】近藤成一「執権北条義時」

今年128冊目読了。放送大学教授、東大名誉教授の筆者が、危機を乗り越え武家政治の礎を築いた北条義時の転機に着目してまとめた一冊。 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がむちゃくちゃ面白いので、この本も気になって図書館で予約し、相当待たされて手にすること…

【読了】伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

今年127冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、2年前の事象と現在の事象をクロスさせながら真実が繋がっていく様子を描き出す一冊。 これも安定の面白さ。2人の主人公の人生が、様々な登場人物によって縒り合わさるように進んでいく様は、さすがだと感じる…

【読了】伊坂幸太郎「あるキング」

今年126冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、天才野球選手とその周囲を描き出す不思議な小説。 天才野球選手といっても、その天才のレベルがあまりにも違いすぎる。が、決して輝かしいわけではなく、裏道を行く人生から数奇な流れになっていく。凄いな、と…

【読了】伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」

今年125冊目読了。ベストセラー作家が、首相暗殺について、殺人の容疑をかけられた人物の側から描き出す会心作。 これは本当にスリリングで、圧倒的。首相暗殺、という『見えている』ストーリーを、裏側から見せるという形で凄まじいドキドキ感を味わえる。…

【読了】伊坂幸太郎「砂漠」

今年124冊目読了。ベストセラー作家である筆者による、学生生活の関わりを描くことで人の縁の妙を味わう青春小説。 どっぷりとハマっていて、個人的には『伊坂幸太郎にハズレなし』と思っていたのだが、これはなんだかしっくりこなかった。イマイチ感が強い…

【読了】荒木博行「自分の頭で考える読書」

今年123冊目読了。株式会社学びデザイン代表取締役社長の筆者が、変化の時代に、道が拓かれる「本の読み方」を提唱する一冊。 イラスト入りで、肩の凝らないような読み口ではあるものの、主張はかなり重厚。これは読んでよかったと感じさせられた。 筆者は「…

【読了】山口裕之『みんな違ってみんないい』のか?

今年122冊目読了。徳島大学総合科学部教授の筆者が、相対主義と普遍主義の問題を、標題に沿って掘り下げる一冊。 ちょうど、『みんな違ってみんないい』では物事が進まなくなってしまう、ということを体感している時期に読んだので、非常に納得性が高かった…