世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】伊坂幸太郎「逆ソクラテス」

今年132冊目読了。ベストセラー作家が、小学生を主人公にした短編小説5編をまとめた一冊。


筆者は、あとがきで「子供を主人公にする小説を書くのは難しい」と記しているが、なんのなんの。安定の筆致の冴えは、いかにも伊坂ワールドで、満喫できる。


ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。


「本番で緊張しないためにはとにかく、何度も何度も事前に練習をやって、自動的に体が動くようにしておくことだよ」


「決めつけて偉そうにする奴らに負けない方法があるよ。『僕はそうは思わない』という台詞」「一番の敵は、先入観だよ」


「大人になってモテるのは足が速い男じゃないんだぞ。金を持ってるやつだ。でも、最終的には、威張らないやつが勝つよ」「人は、ほかの人との関係で生きている。人間関係にとって、重要なことは評判だ評判がみんなを助けてくれる。もしくは、邪魔してくる」


「自分の人生で、チャレンジするのは自分の権利だよ」


「敵を憎むな。判断が鈍る」「相手によって態度を変えるほど、格好悪いことはない」「抽象的な言葉を大声で叫んで怒るのは、独裁者の主砲だよ。具体的な理由が分からず、恐怖を与えられると、次からその人の顔色を窺うしかなくなるから」「正論を吐き、相手を言い負かしたとしても、その後の関係性は気まずくなる。気まずくなっても事態が改善されるならまだ納得できるが、状況は変わらない上に、単に相手と気まずくなっただけ、という展開も多い」「自分が困っていると、別の人も道連れにしたくなるし、困るのを見てると楽しい。ただ逆に、それだけの理由でいじめとかして人生を台無しにしちゃうのも馬鹿だと思わない?」