世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】本郷美則「新聞があぶない」

今年26冊目読了。朝日新聞研修所長、朝日ネット専務取締役を経てフリーランスジャーナリストとなった筆者が、新聞の陥っている苦境とそのバックボーン、そこからいかに回復するかを書き記した一冊。 内幕をよく知る人物だからこそ書ける、非常に高い問題意識…

【読了】クリストファー・ブラウニング「普通のひとびと」

今年25冊目読了。パシフィック・ルター大学やノース・カロライナ大学チャペルヒル校で教鞭をとるアメリカの歴史学者が、ホロコーストに関与し、わずか500人に満たない第101警察予備大隊が83,000人もの犠牲者を出した事実と背景を描き出した一冊。 読んでいて…

【読了】孫崎享「戦後史の正体」

今年24冊目読了。駐ウズベキスタン大使、駐イラン大使をへて、防衛大学校教授を務めた筆者が、これまでほとんど語られることになかった「米国からの圧力」を軸に日本の戦後史を読み解いた一冊。 これは、ものすごく読みごたえがある。日本は親米国家、などで…

【読了】柚木麻子「伊藤くんA to E」

今年23冊目読了。イケメン・ボンボン・だけどクズ男という「伊藤くん」をめぐる女性たちの複数のストーリーが交錯し、それぞれの人生を浮かび上がらせる小説。 佐藤優「僕ならこう読む」で紹介されていたから読んだだけで、筆者もこの手のジャンルも全く興味…

【読了】田坂広志「使える弁証法」

今年22冊目読了。多摩大学大学院教授、日本総合研究所フェローの筆者が、IT社会の未来をヘーゲルを理解することで見通すという一冊。 もともと田坂先生の本は好きなので、論旨はおおむね理解しているが、やはり改めてこのテーマで読むと、その慧眼に恐れ入る…

【読了】アインシュタイン、フロイト「ひとはなぜ戦争をするのか」

今年21冊目読了。国際連盟の求めに応じ、アインシュタインが議題、議論の相手とも自由に選ぶという企画で実現した書簡対話を納めた一冊。 「国際的な平和を実現しようとすれば、各国が主権の一部を完全に放棄し、自らの活動に一定の枠をはめなければならない…

【名将・野村克也氏逝去に際して(言語化の達人)】

パ・リーグ歴代最強打者にして、弱小チームを率いて成果を挙げた名将・野村克也氏が2月11日に逝去した。リーダーとして、ビジネスにおいても非常に参考になる教訓を数々残された方だ。その訃報に際し、感じたこと。 <ポイント>●学び、実践し、教訓化する。…

【読了】堀江敏幸「なずな」

今年20冊目読了。ひとりの赤ん坊を中心にしつつ、田舎の村での何気ない日常が赤ん坊にかき乱されながらも穏やかに進む日々を描き出した一冊。 実に不思議な読書感だ。子育てに関わった経験がある人なら、生き生きと風景が浮かび上がるような春の薫風のような…

【読了】熊野英一「仕事も家庭も充実させたいパパのための本」

今年19冊目読了。株式会社子育て支援代表取締役の筆者が、アドラー心理学を活用したワークもライフも充実させることを提唱する一冊。 働き方改革について「ほんとうに必要な視点は、1)幸せでありたいと願うわたしたちの、人としてのあり方に根差した改革。…

【QC:体感しないとわからない世界。】

かねてより、QC(品質管理)活動に携わる機会が一定量ある。もともと、最初に先輩管理者が「伴走しながら」教えてくれたことで、自家薬籠中のものとすることができたことには、今でも感謝しきりである。 <ポイント>●ツボを押さえると、めきめき上達する。Q…

【現場という「大きな艦」の動かし方。】

現場というものは、実に難しい部分がある(よって、苦手な人には耐えがたい環境かもしれない)。自身、どっぷりと現場勤務をした際に、リーダーから教わったことは今なお生きている。 <ポイント>●「現場は巨大な艦」という比喩。このときのリーダーは、別…

【リーダー不在時のリーダー代行。】

職場のNo.2は色々と難しい部分があるが、特に難しいのは「リーダー不在時のリーダー代行」。そこについて、考えてみた。 <ポイント>●コンセプトを変えられず、確認できず。組織連続性という原則から、リーダー不在時においても、リーダーの考える「組織コ…

【読了】松島駿二郎「タスマニア最後の女王トルカニニ」

今年18冊目読了。旅行作家の著者が、オーストラリア・タスマニア島のタスマニア人少女トルカニニが、はからずもタスマニア人絶滅に加担し、自ら最後のタスマニア人として生涯を終えた経緯をたどる一冊。 マヤやインカのように優れた文明を持ち合わせていたわ…

L・フェスティンガー、H・W・リーケン、S・シャクター「予言がはずれるとき」

今年17冊目読了。スタンフォード大学教授、ミネソタ大学準教授、コロンビア大学教授の三名が、この世の破滅を予知した現代のある集団に潜入し、そこで起きる心理を学術的に検証した一冊。 サトウタツヤ「心理学の名著30」で紹介されていたので読んでみた。「…

【レベルアップの計画を握れ。】

だんだん、若手という立場から抜けてくると、上司もそれなりに「考え方を見せてくれる」ようになる。その中で、今なお血肉となっているのは、「職場メンバーのレベルアップ設計」という思想。 <ポイント>●昇格タイミングを見計らって仕事を割り振る。この…

【読了】サトウタツヤ「心理学の名著30」

今年16冊目読了。立命館大学文学部教授、立命館グローバルイノベーション研究機構副機構長である筆者が、心理学の古今東西の名著30冊を紹介する一冊。 紹介された30冊のうち8冊しか読んでいなかったため、なかなか参考になる。そして、心理学というのは世間…