今年19冊目読了。株式会社子育て支援代表取締役の筆者が、アドラー心理学を活用したワークもライフも充実させることを提唱する一冊。
働き方改革について「ほんとうに必要な視点は、1)幸せでありたいと願うわたしたちの、人としてのあり方に根差した改革。2)わたしたち日本人の生き方改革、3)私たちの個々人のコミュニケーション改革」と位置づけ、論証をしていく。
アドラー心理学をベースにしているので、理解しやすい。「自立した大人の条件は、勇気、責任感、協調精神の3つを持つこと」「家庭でも、仕事でも、土台となるアドラー的価値観は、相互尊敬、相互信頼、協調精神、共感」「信頼されて、裁かれることのない安心・安全な環境にいることが、失敗を恐れずに勇気をもって、自分の能力を最大限に発揮できる」「幸せとはつまり、自己否定ではなく自己受容、他者不信ではなく他者信頼、自己犠牲ではなく他者貢献。この3つがそろうと、人は幸せを感じ、精神的自立ができる」など、わかりやすくイラスト入りで噛み砕いてくれる。
すぐに使えるフレーズも多数。「勇気づけはとてもシンプルで簡単なので、すぐに実践できる一方、奥が深いので、おけいこ事のように日々、実践を繰り返すことで熟達する」「相手を操作しようとするコミュニケーションをしてはいけない」「正論ではなく、相手の感情に寄り添う方法を家庭で学ぶ」「原因を探すより、目的を意識する」「他者貢献していても、自己犠牲していては、幸せになれない」などは、耳が痛いが、まさにやり続けるべきこと。
「企業の行動変容や文化を変えるというとき、もっとも大切なことは人の心をしっかりとつかむこと。そして、それはロジカルな部分ではなく、感情の部分」というのは、常日頃感じていることであり、改めて心にとどめたい。
朋友から勧められて読んだが、さらりと読めるうえに、なかなか奥深い。あまり本を読みつけていない人にも読みやすいので、一読をお勧めしたい。