世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2024-01-01から1年間の記事一覧

【海軍飯】炸溜豆腐丸(ザーリュウトーフワン)

かなり限界レベルの疲弊。これはしんどい…そんな中で、手間はかかるが、海軍飯。 以前作った「炸溜丸子」を、豚ひき肉ではなく木綿豆腐などを合わせて作る応用メニュー。見栄えは悪いが、味はいける。当時は中国大陸に進出していたから、こういうメニューも…

【読了】内田樹「だからあれほど言ったのに」

今年111冊目読了。思想家、武道家にして神戸女学院大学名誉教授の筆者が、不自由な国・日本への警告を述べる一冊。 筆者は、現代社会において「私が『今の日本社会には大人がいなくなった』と思っているのは、『その人がいるおかげで、周りの人たちの知性が…

【海軍飯】海軍割烹術参考書「ロールキャベジ」

月が変わって12月。自分の中では、重たい仕事がひと段落。となると…やはり海軍飯(笑)。 ロールキャベツが訛っての名称。元々は、フランス・オーベルニュ地方の郷土料理「シューファルシ」から発展したもの、らしい。 わざわざオーブンで焼いてから煮込むの…

【海軍飯】海軍割烹術参考書「フーカデンビーフ」

11月の締めくくりに、興味のあったメニューを。海軍における代表的洋食料理のひとつ。なんと明治41年のレシピ。 とても時間がかかって面倒だし、自分の技術力の無さ故に見栄えは悪いが、これは美味しい!ミートローフみたいなものだが、こんなハイカラなもの…

【読了】小野寺拓也、田野大輔「検証 ナチスは『良いこと』もしたのか?」

今年110冊目読了。東京外大大学院総合国際学研究員准教授と、甲南大学文学部教授の筆者が、多角的な視点でナチスの政策を検証する一冊。 畏友が読んでいたので、長いこと図書館で待って手にした本。民主主義への不信が強まる2024年の日本の状況から、押さえ…

【海軍飯】海軍主計兵調理術教科書「牛肉と野菜の辛子味噌和え」

なかなか厳しい日々を過ごしていて、正直しんどい…が、単身赴任故、自炊はせんと。そして、そうである以上、淡々とするのはつまらない。ということで(?)海軍飯。 主菜のみならず、副菜の「卵とハムと馬鈴薯のソース和え」も、海軍飯(笑)。自分で言うの…

【海軍飯】重巡洋艦「愛宕」チキンシチューダンプリング

「生き延びる」ことがテーマの超繁忙期・11月。とはいえ、働くだけではつまらない。ということで、海軍飯。 ダンプリングとは、小麦粉を練って茹でた団子のようなもの。作り方は単純だし、こういう機会でもないと、「手羽元」なんて使おうと思わなかっただろ…

【読了】町田そのこ「宙ごはん」

今年109冊目読了。ベストセラー作家が、子供の生育環境と、そこに影響を与える『食』を小説にした一冊。 最近ハマっている町田そのこさん。この本も、そこここに陰鬱な社会問題が入りつつも、最終的には前向きな気持ちにさせてくれる。 『傍から見る不合理は…

【読了】村上慎一、伊藤氏貴「現場から考える 国語教育が危ない!」

今年108冊目読了。名古屋外大教授と明治大学文学部教授の筆者が、「実用重視」に寄りすぎた国語教育と読解力に切り込む一冊。 岩波ブックレットなるものがあることを、恥ずかしながら知らなかった… 筆者たちが述べる言語に対する「言語は一義的にはコミュニ…

【読了】町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」

今年107冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、わかり合えないこと、それでもわかろうとすることを、人間の苦悩とともに描き出した一冊。 これは読み応えがあった。「星を掬う」「夜明けのはざま」ですっかりファンになったので読んだが、あまりにも重い話が…

【読了】羽深宏樹「AIガバナンス入門」

今年106冊目読了。京都大学法政策共同研究センター特任教授にして、スマートガバナンス株式会社代表取締役CEOの筆者が、AIのリスクマネジメントから社会設計までを提唱する一冊。 もはや、今後の社会で不可欠ともいえるAI。そのガバナンスをどうするか、とい…

【読了】芦沢央「神の悪手」

今年105冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、将棋をモチーフにした短編小説をまとめた一冊。 将棋好きの端くれとしては、非常に面白く読めた。全く別の短編でありつつ、微妙に絡んでいるのも粋である。ただ、将棋がわからない人に楽しく読めるかは??とい…

【読了】管賀江留郎「道徳感情はなぜ人を誤らせるのか」

今年104冊目読了。少年犯罪データベース主宰の筆者が、冤罪事件を読み解きながら、虐殺、正しい心についても考察していく一冊。 畏敬する先達がお薦めしていたので手にしたら、とんでもない分厚さにびっくり。そして、過去の冤罪事件をもとに検証を掘り下げ…

【読了】原田昌博「ナチズム前夜」

今年103冊目読了。鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授の筆者が、ワイマル共和国と政治的暴力について考察する一冊。 図書館で借りてなかなか順番が回ってこず、手にしたら新書とは思えない分厚さ。その詳細な記載に圧倒される… 筆者は、ワイマル共和国の…

【読了】毛利和雄「名古屋城・天守木造復元の落とし穴」

今年102冊目読了。日本ICOMOS国内委員会会員、日本記者クラブ会員、文化財保存全国協議会会員の筆者が、名古屋城天守木造復元計画の迷走と全国各地の城の木造化や耐震補強の取組みから、城再建の問題点と今後を探る一冊。 現在の名古屋城は「1957年に名古屋…

【海軍飯】炸澑丸子(ザーリュウワンズ)

忙しいのにわざわざ作るのか?という料理だが、食材さえあれば、そんなに面倒ではない。ただ、もうちょっとアレンジで美味しくなるんだろうな、とは思う。 海軍飯中華は初だが、なるほどというメニュー。大体、名前も読めない(苦笑)料理を作るなんて、有り…

【海軍飯】病院船「氷川丸」ポタージュ

11月は、繁忙期。なかなか厳しい中で、久しぶりに海軍飯。とはいえ、あくまでメインではなくスープ。まぁ、麻婆茄子と合わせている時点で全然違うのだが(苦笑)。 本来は裏漉しすべきところだが、単身赴任でそんな道具はないのですりおろしで対応。スープと…

【読了】谷川浩司「藤井聡太はどこまで強くなるのか」

今年101冊目読了。十七世永世名人である筆者が、藤井聡太の実力とその先行きを見通す一冊。 2023年1月の本であり、2024年10月現在では七冠(一時期は八冠でタイトル完全制覇)もしたので、サブタイトル「名人への道」はもう拓かれた後である。が、それでも超…

【読了】桑原晃弥「藤井聡太の名言」

今年100冊目読了。経済・経営ジャーナリストの筆者が、現代の将棋界における絶対王者の発言から、勝利を必ずつかむ思考法を読み解く一冊。 あまりにもビジネス書に寄せる構成が鼻につく、というのが正直な感想だが、藤井先生の言葉と人生への向き合い方は心…

【読了】西田拓也「AIから読み解く藤井聡太の決断」

今年99冊目読了。自身も若手理論派棋士である筆者が、AIの判断結果を交えながら、藤井聡太の判断を分析していく一冊。 ここにまとめられた12の対局を見るだけでも、いかに藤井聡太先生が異次元の存在であるか、を痛感させられる。アマチュアのヘボ将棋しか指…

【読了】ステファン・メルケルバッハ「ソース原理」

今年98冊目読了。オランダで、集合知と企業文化を発展させる支援組織Ordinataを起業した筆者が、「エネルギーの源流」から自然な協力関係をつむぎ出すことを提唱する一冊。 シンプルな筆致ながら、真理に迫っているというのが直感的感想。「役職でもスキルで…

【読了】町田そのこ「夜明けのはざま」

今年97冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、葬儀と死、にまつわる短編小説を通して「生きるとはどういうことか」を問いかけてくる一冊。 畏敬する先達に薦められた「星を掬う」が見事だったので期待していたら、これも本当にうまくできている小説だ。5編の…

【読了】今井むつみ、秋田喜美「言語の本質」

今年96冊目読了。慶應義塾大学環境情報学部教授と、名古屋大学大学院人文学研究科准教授の筆者が、ことばはどう生まれ、進化したかを、オノマトペを手がかりに考察する一冊。 言語という、人間を人間たらしめているものについて、新書ながらきっちりと掘り下…

【読了】池谷裕二「夢を叶えるために脳はある」

今年95冊目読了。東京大学薬学部教授の脳研究者が、高校生と繰り広げる脳講義の第三弾完結編。 本書を貫くテーマは「この世界を脳が捉え、その捉えた『世界』のなかで、私たちは脳を使って生活をしている。そんな脳の機能と意義について考える」。それを高校…

【読了】下斗米伸夫「プーチン戦争の論理」

今年94冊目読了。政治学者にして法政大学名誉教授の筆者が、ウクライナ紛争の根源を歴史的経緯から紐解く一冊。 新書ながら、非常に重厚な中身。そして、日本での報道がいかに片面的・表面的な情報でしかないかということがよくわかる・・ まず、そもそもウ…

【読了】池内紀「ニッポン周遊記」

今年93冊目読了。ドイツ文学者にしてエッセイストの筆者が、町の見つけ方・歩き方・つくり方を考察する一冊。 筆者があちこち出かけた先で感じたことをまとめて一冊にした、という感じで、短編集みたいな読み方になる。 ということで、主張をまとめる感じで…

【読了】森本あんり「教養を深める」

今年92冊目読了。東京女子大学学長の筆者が、人間の「芯」のつくり方を考察する一冊。 畏友が薦めていたので読んでみると、なるほど、新書とは思えない中身の分厚さ。これは読み応えがある。 リベラルアーツとは「『人間をより人間らしく育てる』ことを目的…

【読了】橋本倫史「観光地ぶらり」

今年91冊目読了。物書きである筆者が、観光の時代による変化を見つめ直す一冊。 まさにあちこちの観光地を巡りながら考察する、という本なのだが、ぶらり、どころの話ではない。筆者の深い掘り下げで、色々と気付かされることが多い。観光業に携わるものとし…

【読了】古江孝治「杉原千畝の実像」

今年90冊目読了。敦賀市役所勤務を経て、「人道の港 敦賀ムゼウム」開設の中心的役割を担い、初代館長を務めた筆者が、数千人のユダヤ人を救った決断と覚悟を読み解いていく一冊。 まさに、敦賀ムゼウムを訪問して、久々に杉原千畝について学びたいな、と思…

【読了】内田樹「そのうちなんとかなるだろう」

今年89冊目読了。合気道七段の武道家にして、神戸女学院大学名誉教授、翻訳家の筆者が、自伝の形で生きることを考察する一冊。 図書館でたまたま気になって手に取った本。内田樹さんだから間違い無いだろうと思ったとおり。 筆者の人生への構え「たとえ家族…