世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】井上章一「京都ぎらい」

今年40冊目読了。国際日本文化研究センター教授にして副所長の筆者が、洛中一千年の花と毒を見極める新・京都論。 意図せずして、梅棹忠夫「京都の精神」と連続して読んだが、これが大正解!まさに表裏をなす構成。 筆者は嵯峨出身で洛中の人に差別を受けて…

【読了】梅棹忠夫「京都の精神」

今年39冊目読了。京都生まれ京都育ち、国立民族博物館初代館長にして京都大学名誉教授の筆者が、京都人の常識や本音を忌憚なく語る一冊。 よくもまぁここまで京都中心主義!と圧倒されるような中身。「京都人は気位が高い」のも、この書を読むと(是非はとも…

【読了】奥田弘美「『会社がしんどい』をなくす本」

今年38冊目読了。精神科医にして産業医の筆者が、いやなストレスに負けず心地よく働く処方箋を書き著した一冊。 現代社会で、このテーマは非常に切実。なので読んでみたところ、実例を挙げてわかりやすく解説してくれているなぁと感じた。 筆者は昨今のしん…

【読了】河合香織「老化は治療できるか」

今年37冊目読了。ノンフィクション作家の筆者が、アンチエイジング研究の最前線を追う一冊。 面白いテーマではあるのだが、まだまだ科学的には研究途上なので、これといった結論がないのがもどかしい。しかし、こうした考察は大事だろうな。 なぜ死が恐ろし…

【読了】長谷川ヨシテル「キテレツ城あるき」

今年36冊目読了。歴史ナビゲーター・歴史作家の筆者が、ユニークな城の特徴をまとめた一冊。 軽妙な筆致で、何気なく深い知識が入ってくるので、このシリーズは楽しく読める。城好きならもちろんのこと、歴史好きが『城好き』に目覚める助けになるかもしれな…

【読了】柏井壽「京都の定番」

今年35冊目読了。歯科医院にしてエッセイストの筆者が、京都の定番を押さえて楽しむことを提唱する一冊。 京都観光の書籍は山ほどあるが、確かにこういう感じの本はあまりない。 筆者は、まず「何事も、定番を知らずして、深く理解することはできない。何事…

【読了】永井路子「この世をば(上下)」

今年33・34冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、藤原道長と平安王朝の時代を圧倒的なボリュームで書き表した本。 当然、NHK大河ドラマ「光る君へ」が大当たりなので読んでみたというところ。そして、これがまた実に読み応え十分!道長を「圧倒的な成功者」…

【読了】ダニエル・ピンク「When 完璧なタイミングを科学する」

今年32冊目読了。21世紀型の動機づけ理論を提示した筆者が、時間生物学に注目した「When to」タイムハックを唱える一冊。 知遇を得た畏友が薦めていたので読んだら、なるほど面白かった、という本 サーカディアンリズムから「感情のバランスは午前中に上昇し…

【読了】垂水雄二「悩ましい翻訳語」

今年31冊目読了。主に科学分野の翻訳を行う翻訳家の筆者が、科学用語の由来と誤訳を探る一冊。 なかなかマニアックな中身だが、案外読み応えがあって面白かった。確かに、翻訳語は魔窟だよなぁ。 翻訳語の難しさについての「訳語の選択は異文化コミュニケー…

【読了】武田砂鉄「わかりやすさの罪」

今年30冊目読了。フリーライターの筆者が、わかりやすさがもてはやされる現代に警鐘を鳴らす一冊。 筆者がひねくれ者なのはよくわかるが(笑)、それで片付けられない深さがあるように感じる。 現代社会の病理として「『どうしてこの私にわかるものを提供し…