世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

【読了】伊坂幸太郎「ジャイロスコープ」

今年12冊目読了。ベストセラー作家の筆者が、6本の短編と、それを編みこむようにまとめる短編1本からなる小説。 読みやすいのだが、後付けでまとめたということで、伏線回収の巧みさが活かされきっていないのが少し残念。伊坂幸太郎ファンとしては、ちょっ…

【読了】菊池洋匡「『しつけ』を科学的に分析してわかった小学生の子の学力を『ほめる・叱る』で伸ばすコツ」

今年11冊目読了。かつて算数オリンピック銀メダリストになった中学受験伸学会代表が、子どもに自信を生み、好循環を生み出す最初のきっかけを親が踏み出すことを提唱する一冊。 いろいろと心理学系の本を読んでいるので、「様々な心理学や社会学の要素を子育…

【読了】島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都「はじめての」

今年10冊目読了。日本を代表する直木賞作家4人が、「はじめての」というお題でそれぞれに4本の短編小説を書き、それを集めた一冊。 小説を音楽にするユニット『YOASOBI』とのコラボであり、娘がYOASOBI好きのため図書館で借りた本を又借りした。短編ながら…

【読了】伊藤羊一「1分で話せ」

今年9冊目読了。Yahoo!アカデミア学長にしてグロービス経営大学院客員教授の筆者が、世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術を記した一冊。 もともと気になっていた本だが、たまたまある講座で筆者と知遇を得る機会があり、その熱量と分…

【読了】加藤仁「宿沢広朗 運を支配した男」

今年8冊目読了。出版社勤務を経たノンフィクション作家である筆者が、早稲田大学で日本一になり、日本代表にもなったラガーマンで住友銀行の取締役専務執行役員になりながらも早すぎる死を迎えた宿沢広朗の人生を描き出す一冊。 畏敬する先達が薦めていたの…

【読了】伊藤之雄「真実の原敬」

今年7冊目読了。京都大学名誉教授の筆者が、維新を超えた宰相の一般的イメージを覆し、真実の姿に迫ろうとする一冊。 なるほど知らない側面がよくわかる、という半面、あまりにも筆者が原敬を絶対視し過ぎていて怖くなるくらい。ちょっと宗教じみていないか…

【読了】伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」

今年6冊目読了。ベストセラー作家が、4人の個性的なメンバーが揃った銀行強盗団の不思議な活躍を描き出す一冊。 これまた安定の面白さ。展開のビックリもそうだし、二転三転するスピード感もさすが。そして、そこここに世の中へのエスプリが利いていて、本当…

【読了】千田嘉博「城郭考古学の冒険」

今年5冊目読了。奈良大学文学部文化財学部教授にして、城郭考古学者の筆者が、自らの研究フィールドの奥深さを語る一冊。 筆者の「城のかたちの変化は、戦い方・守り方だけでなく、城を生みだした社会と政治とを反映した」という価値観と城郭愛が溢れていて…

【読了】呉座勇一「戦国武将、虚像と実像」

今年4冊目読了。信州大学特任助教の筆者が、戦国武将の評価の経緯とその背景を抉り出す一冊。 これはなかなか面白い切り口。「『大衆的歴史観』の変遷を追うことは、日本人の価値観、日本人の自己認識、さらに言えば日本人の(理想化された)自画像の変遷を…

【読了】伊坂幸太郎「ラッシュライフ」

今年3冊目読了。ベストセラー作家のデビュー2作目にして、非常に完成度の高い群像小説。 2023年初の伊坂幸太郎。やはり安定の面白さで、どこからこれだけの発想が出てくるのか?と感嘆するしかない。そこここに、人生観、生きるうえで大事なメッセージが散…

【読了】国末憲人「ユネスコ『無形文化遺産』」

今年2冊目読了。朝日新聞GLOBE副編集長の筆者が、生きている遺産を歩くことを通じて、文化の多様性保持について考える一冊。 世界遺産検定マイスターを保有していても、実は無形文化遺産については深く知らなかったので、ちょうど勉強する機会になった。実際…

【読了】小島慶子「おっさん社会が生きづらい」

今年1冊目読了。TBSアナウンサーからエッセイスト、タレントになった筆者が、5人の識者との対談を通じて日本社会の生きづらさの原因”おっさん社会”を見つめ、脱却の道筋を模索する一冊。 読書会で知遇を得た畏友が薦めていたので読んでみたら、なるほど、自…