今年6冊目読了。ベストセラー作家が、4人の個性的なメンバーが揃った銀行強盗団の不思議な活躍を描き出す一冊。
これまた安定の面白さ。展開のビックリもそうだし、二転三転するスピード感もさすが。そして、そこここに世の中へのエスプリが利いていて、本当に楽しく読めた。
ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。
「どんな人間でも、たっぷり知識を詰め込んだ後は、実践に移りたくなるものだ」「人には教育欲がある。一度きりの人生に自信がないものだから、他人に先生面をして、安心するのだ」
「人間というのはそれぞれが主人を持っている。主人とは、つまり人が行動する時の拠り所で、それは、実際に自分の上に立つ上司かもしれないし、自分だけの、『美学』かもしれない。『一般常識』かもしれないし、『損得勘定』かもしれない。とにかく、人は行動する時にはその主人、ルールに従う」
「仲間を裏切るかどうかは人間の品性の問題だな」「自信がない人ほど偉そうに決断して、頭ごなしに命令する」「人間は後悔をする生き物だが、改心はしない。繰り返すんだよ、馬鹿なことを。『歴史は繰り返す』というのは、それの言い訳だ」
「何が起きるかわからないほうが、生きていくのは楽しい」「退屈は人を発狂させる」
「意味不明の問いであっても、人は訪ねられると無意識に、答えを探そうとする」