今年10冊目読了。日本を代表する直木賞作家4人が、「はじめての」というお題でそれぞれに4本の短編小説を書き、それを集めた一冊。
小説を音楽にするユニット『YOASOBI』とのコラボであり、娘がYOASOBI好きのため図書館で借りた本を又借りした。短編ながら、どれも実に考えさせられる設定で、引き込まれてあっという間に読み終わった。
ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。
「自分の不利益になると分かっていても、時に主張や表明をせざるを得ないのは、人間らしさというものの1つでもある」
「一人で生まれて一人で死ぬことが、人間はなによりも怖い」
「生きて戻ってきたら、それで大丈夫だよ。なんとかなる」
「多感な年頃なんだ、思春期で情緒不安定になっているだけだ、親が余裕を失ってどうする、温かく見守ってやらなければ。しかし、親も人間だ。徒労感に心が折れることもある」
「名は体を表し、その名と共に生きる者の指針となる」
「先が見えないっていうのは人類共通の不安要素だけど、先が見えたら見えたで、人間、どうしてもダレるのよ。わかりきった未来に向かって生きてもおもしろくないでしょ」