世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都「はじめての」

今年10冊目読了。日本を代表する直木賞作家4人が、「はじめての」というお題でそれぞれに4本の短編小説を書き、それを集めた一冊。


小説を音楽にするユニット『YOASOBI』とのコラボであり、娘がYOASOBI好きのため図書館で借りた本を又借りした。短編ながら、どれも実に考えさせられる設定で、引き込まれてあっという間に読み終わった。


ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。  


「自分の不利益になると分かっていても、時に主張や表明をせざるを得ないのは、人間らしさというものの1つでもある」


「一人で生まれて一人で死ぬことが、人間はなによりも怖い」


「生きて戻ってきたら、それで大丈夫だよ。なんとかなる」


「多感な年頃なんだ、思春期で情緒不安定になっているだけだ、親が余裕を失ってどうする、温かく見守ってやらなければ。しかし、親も人間だ。徒労感に心が折れることもある」


「名は体を表し、その名と共に生きる者の指針となる」


「先が見えないっていうのは人類共通の不安要素だけど、先が見えたら見えたで、人間、どうしてもダレるのよ。わかりきった未来に向かって生きてもおもしろくないでしょ」