今年107冊目読了。管理栄養士にして日本抗加齢医学会指導士の筆者が、50代のダイエットは健康寿命の分岐点として、一生元気でいる食べ方を最新栄養学から提唱する一冊。
アラフィフとしては、非常に気になるタイトルの本。そして、その主張は確かに適切だなあと感じる。
まず、筆者は若い頃と50代のダイエットは違うということを「50代で適切なダイエットを行い余分な体脂肪を落としておくことは、60歳以降の人生を健康で元気に生きるための、私たちの重要なミッション。ただし、50代からのダイエットは、若い頃のダイエットとは全く違う」「健康的な体を維持していくためには、必要な栄養素をしっかりとり、筋肉をつけて脂肪を落としていかなければならない。そのためのダイエット法が、バランスの取れた食事を上手にとる健康な食習慣=『食べやせ』」「落とすべきは体重ではなく、体脂肪率」「健康的な食事を続けながら、適度な運動もする習慣をつける。これこそが、50代で行うべき、正しいダイエットのあり方」と、縷々述べる。
なぜ、50代だとダイエット方法を変える必要があるのか。そもそもの人間の体質を含めて「50代になってやせにくくなる最大の理由は、基礎代謝の変化」「太る人ほど栄養素が足りていない傾向にあり、それが太りやすい体質の原因となっているケースが多い」「睡眠不足になると、食欲が暴走する」「ストレスがあると睡眠の質も悪くなるため、それがまた、肥満と不健康につながる」「肥満は高血圧症や糖尿病といった生活習慣病をはじめ、脳卒中や心疾患、認知症など、さまざまな病気の発症リスクを高めてしまう。太っていると、将来、要支援・要介護、さらには寝たきりになってしまう確率も当然上がる」という指摘はどれも納得できる。
では、どうすればいいのか。珍しいことをするのではなく「15分の散歩でも、10分のストレッチでもいいので、とにかく毎日続けられる内容を考え、運動習慣をつけることからはじめる」「炭水化物の食べ過ぎに注意して、まずは、野菜か肉・魚などのおかずから食べる習慣をつけていく」「夜遅い食事は、温かいごはんよりも冷たいごはん」「50代になったら、自分の味覚は以前よりも鈍くなっていると自覚することも、減塩と減量のためには大切」「よく噛んでゆっくり食べるのはダイエットにも大切」「50代からは多種小食、大切なのは1日3食、欠食しない」「夕食後は血糖値が上がりやすいため、特に体を動かすことが大切」と、それぞれはそんなに難しくなくても、まとまるとハードルが高い…
さらに、その先を見据えて「60代は、体型を気にして減量するよりも、体の栄養状態に注意すべき」「60代になったら、特別太っている人や健康上問題がある人以外は、減量を考えるのではなく、筋肉をつけることに意識を向ける」とも提言してくれている。
健康寿命が叫ばれる中、50代というところに着目したのは大きいと感じる。できるだけ実行していきたい。