世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

【読了】サイモン・シン「暗号解読」

今年130冊目読了。BBCでドキュメンタリーを手がけてから数学系の書籍を何冊も出している筆者が、ロゼッタストーンから量子暗号まで、古今東西の暗号と暗号解読の歴史と今後を概観する一冊。 ハードカバー450ページ以上という分厚さにひるんだが、読んでみる…

【読了】宮城谷昌光「長城のかげ」

今年129冊目読了。歴史小説を得意とするベストセラー作家が、漢王朝の中興の祖である劉邦を軸とした群像劇を描き出す一冊。 三谷宏治が薦めていた本なので読んでみた。確かに、劉邦という人を斬るだけでなく、いろいろな関わった人々から歴史は斬ることがで…

【読了】馬場マコト・土屋洋「江副浩正」

今年128冊目読了。日本リクルートセンター出身で作家である筆者と、日本リクルートセンターからリクルートスタッフィング監査役などを務めた筆者が、稀代の起業家・江副浩正の実像に迫る一冊。 正直、リクルート事件のイメージが強すぎるのだが、リクルート…

【読了】テレサ・アマビール、スティーブン・クレイマー「マネジャーの最も大切な仕事」

今年127冊目読了。ハーバードビジネススクール教授と、心理学者の筆者が、「95%の人が見過ごす『小さな進捗』の力」に着目した一冊。 インナーワークライフなどという謎の言葉を使って、色々と同じことを違った角度から何度も切り刻むような本。主張は、そ…

【読了】川島隆太「『本の読み方』で学力は決まる」

今年126冊目読了。東北大学加齢医学研究所教授の筆者が、脳と読書、脳と読み聞かせの関係に迫る一冊。 元々興味のある新書だったが、中身はペラッペラ。筆者がニンテンドーDSの「脳トレ」を監修しているあたりで、あまり深みがないかな、とは思ったが… 結論…

【読了】三谷宏治「戦略読書」

今年125冊目読了。金沢工業大学虎ノ門大学院教授、早稲田大学ビジネススクール客員教授、グロービス経営大学院客員教授を務める筆者が、オリジナル人材になるための読書法を余さず述べる一冊。 なぜ、読書をするのか。「日本人の読書についての問題は、戦略…

【読了】細谷功「自己矛盾劇場」

今年124冊目読了。ビジネスコンサルタント、著述したの筆者が、「知ってる・見えてる・正しいつもり」を考察する一冊。 漫画やイラストが入って、とてもわかりやすく、読みやすい。かなり難解な「認知の限界」の話を、面白く理解できる。 自己矛盾の特徴を「…

【読了】呉座勇一「陰謀の日本中世史」

今年123冊目読了。国際日本文化研究センター助教の筆者が、中世の有名な陰謀とその原因を述べる説、そして陰謀論の法則を明らかにする一冊。 これは実に興味深い。個別の陰謀に関する読み解きの深さもさることながら、その法則性には唸ってしまう。 そもそも…

【読了】鈴木規夫「人が成長するとは、どういうことか」

今年122冊目読了。社団法人Integral Vision & Practice代表理事の筆者が、発達志向型能力開発のためのインテグラル・アプローチについて読み解き、人の本質的な成長の実現を提唱する一冊。 あまりの分厚さに怖気付き、あまりの難解さに絶望感を覚える。しか…

【読了】デイヴ・アスプリー「超ライフハック」

今年120冊目読了。シリコンバレーのテクノロジー起業家、バイオハッカーにして、ブレットプルーフ360創業者兼CEOの筆者が、世界中の最新研究と膨大なデータをもとに最強テクニックを体系化した一冊。 生きるとは、どういうことか。「権力、お金、セックス。…

【読了】岡崎大輔「『やり抜く子』と『投げ出す子』の習慣」

今年121冊目読了。和歌山に放課後スクールPETERSOXを立ち上げ「いつでも、どこでも、自分らしく輝ける社会をつくる」をビジョンに掲げ、現在までに10,000人以上の子どもと大人にライフスキル教育を提供している筆者が、子育てにあたってどのような習慣をつけ…

【読了】垣内尚文「パン屋ではおにぎりを売れ」

今年119冊目読了。株式会社アスコム取締役編集局長の筆者が、地味だけど一生役立つ考える技術として「想像以上の答えが見つかる思考法」を提唱する一冊。 なんだか冗談みたいな本のタイトルからして、この「思考法」に則っている。さらりと読める本ではある…

【読了】土屋健「ザ・パーフェクト」

今年118冊目読了。オフィスジオパレント代表にしてサイエンスライターである筆者が、日本初の恐竜全身骨格発掘記として多面的に発掘の背景にある物語を描き出す一冊。 自分の傾向として「実用書だったり、心構えに役立つ本だったりを読みふける」という癖が…

【読了】ロナルド・ハイフェッツ「リーダーシップとは何か!」

今年117冊目読了。ハーバード大学大学院のリーダーシップ教育プロジェクト主幹の筆者が、リーダーシップの本質は何か?という難題に挑む一冊。 1996年出版ながら、その論説は2021年の今なお全く色褪せることのない切れ味を誇っている。時代を感じるのは、事…

【読了】島尾新「もっと知りたい雪舟」

今年116冊目読了。学習院大学教授にして、日本中世絵画史を専攻する筆者が、国宝6点を残した天才画家の生涯をつまびらかにする一冊。 アート・ビギナーズ・コレクションシリーズは本当に引き込まれる。特に雪舟はその人生の数奇さ、長く旅をしながら様々な書…

【読了】出口治明「歴史を活かす力」

今年115冊目読了。ライフネット生命保険創業者にして、立命館アジア太平洋大学学長の筆者が、歴史に学ぶ「人生に役立つ80のQ&A」を伝える一冊。 筆者は歴史に造詣が深く、「飯・風呂・寝る」から「人・旅・本」への転換を提唱しているだけあって、本当に面…

石田勇治「ヒトラーとナチ・ドイツ」

今年114冊目読了。 ナチスの本はちょいちょい読むのだが、その理由は筆者の「21世紀の今日、人権と民主主義が人類にとって最も尊重・擁護されるべき普遍的な価値・制度であるとするなら、それらが容赦なく粉砕された近過去の事例に目を向けることは大きな意…

【国宝】宮内庁御物、国宝指定へ。

21年7月16日、文化財保護における革命的な転換があった。「文化審議会(佐藤信会長)は16日、鎌倉時代の絵巻物「蒙古襲来絵詞」や安土桃山時代の画家、狩野永徳の「唐獅子図屏風」など、絵画4件と書跡1件を国宝に指定するよう文部科学相に答申した」というニ…

【読了】大木毅「独ソ戦」

今年113冊目読了。防衛省防衛研究所講師、陸上自衛隊幹部学校講師を経た筆者が、現代の野蛮とも呼ぶべき絶滅戦争の惨禍を抉り出す一冊。 自分より年下ながら、歴史に学ぶことにおいては畏敬すべき友人がSNSで薦めていたので読んでみたが、これはなるほど読み…

【読了】ジャレド・ダイアモンド「危機と人類(上下)」

今年111・112冊目読了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校地理学教授の筆者が、7つの近代国家の危機と、それに対する選択的変化を探求することで、危機に対応する要素を明らかにしていく本。 「文明崩壊」「銃・病原菌・鉄」などの良書を読んでいたので、本…

【読了】星友啓「スタンフォード式生き抜く力」

今年110冊目読了。スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長の筆者が、最高のグローバルスキル「生き抜く力」の磨き方を提唱する一冊。 端的に言えば「人を思いやる利他的な力は、生き抜く力の基礎になっている」「自己中ではなく、相手のいうことを…

【読了】北野唯我、百田ちなこ「これからの生き方」

今年109冊目読了。ワンキャリア取締役として人事領域・戦略領域・広報クリエイティブ領域を統括する筆者と、漫画・イラストレーターが組んで「自分はこのままでいいのか?と問い直すときに読む本」として作り上げた一冊。 漫画のストーリー展開から、生き方…

【読了】千田嘉博「城郭考古学の冒険」

今年108冊目読了。奈良大学文学部文化財学科教授の筆者が、城を考古学的に研究することとその可能性を熱く語る一冊。 城ファンの分析と、その考え方について「多くの方がウォーキングなどで野外で体を動かす活動を楽しんでいる。自然のなかで体を動かすのは…

【読了】緒方貞子「満州事変」

今年107冊目読了。国連高等難民弁務官、国際協力機構理事長を務める筆者が、満州事変の勃発から国際連盟脱退までの経緯を克明に分析し、政策の形成過程をつまびらかにする一冊。 満州事変当時の政策決定に対して対立する構造を「佐官級ならびに尉官級陸軍将…

【読了】仲町啓子「もっと知りたい尾形光琳」

今年106冊目読了。実践女子大学教授(日本美術史専攻)の筆者が、アート・ビギナーズ・コレクションシリーズとして天才芸術家にして琳派の中心人物である尾形光琳についてまとめた一冊。 「日本美術史の流派名は狩野派などのように名字で表すものが多く、そ…

【読了】村重寧「もっと知りたい俵屋宗達」

今年105冊目読了。東京国立博物館企画課長を経て早稲田大学文学部(美術史専攻)教授となった筆者が、アート・ビギナーズ・コレクションシリーズとして謎の芸術家・俵屋宗達についてまとめた一冊。 このシリーズは、写真が豊富で本当に読みやすいのだが、こ…

【読了】佐倉由美子、常井恒平、長谷川大「負の世界遺産」

今年104冊目読了。フリーライター、編集者が共著で、記憶と歴史が物語る45の負の世界遺産を紹介するムック本。 ムック本ということで、写真が多用されており、綺麗で読みやすい。が、選ばれた世界遺産には、だいぶ疑義がある。こんなんで、いいんかな?とい…

【読了】小林快次「恐竜まみれ」

今年103冊目読了。北海道大学総合博物館教授、同館副館長の恐竜研究家である筆者が、命懸けの発掘現場の実態や様々な経験を軽妙な筆致で描き出す一冊。 恐竜好きの息子(小二)のために図書館で借りたが、やや難しそうだったので部分的に音読してやったのだ…

【読了】山口二郎「政権交代論」

今年102冊目読了。北海道大学法学部教授で、行政学・政治学を専攻する筆者が、2009年初頭時点での自民党政権の専横のリスク、そして他国の事例を見ながら政権交代の必要性を説く一冊。 2021年初夏、絶望感しかない自民党政権の暴走。2009年麻生政権末期のそ…

【読了】沢木耕太郎「冠 OLYMPIC GAMES」

今年101冊目読了。深夜特急を代表作として持つ筆者が、1996年アトランタで開催された「商業化に決定的に舵を切った」オリンピックを全日取材した記録を稠密に書き起こし、その織り成すストーリーを見事に描き出した一冊。 この本は、存在を本屋で知って、図…