世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】デイヴ・アスプリー「超ライフハック」

今年120冊目読了。シリコンバレーのテクノロジー起業家、バイオハッカーにして、ブレットプルーフ360創業者兼CEOの筆者が、世界中の最新研究と膨大なデータをもとに最強テクニックを体系化した一冊。


生きるとは、どういうことか。「権力、お金、セックス。大抵の人間はミトコンドリアの命を受けて、これら3つの追求に一生を費やしている」「幸せになれることをしていればお金が入ってくるのであって、その逆ではない」「幸せになりたければ、いまあるもの、今置かれている状況に満足しなくてはならない」「称賛やお金を得るためのゲームから、喜びを噛み締めるためのゲームに変えていく」のあたりは、その読み解きのヒントになる。


人生を生きるうえでの基本的構造として「本能に支配されたエゴを克服して真の目的を追求すれば、成功がついてくる」「人生を楽しむためのハックは①もっと賢く:脳が最高のパフォーマンスに達しているときは、ほかのすべてが簡単にできる②もっと速く:身体活動の効率を向上させ、やるべきことを実行するための精神的・身体的エネルギーを与えてくれる③もっと幸せに:多くの人が瞑想や呼吸法を挙げ、それで平穏な心が保てる」「行動の優先順位づけと、自分の強みへの集中が、成功のための2大ツール」「超速学習法;FAST。F:Forget(忘れる)─空にしなければ入れられない。A:Active(能動的)─自ら創造する学習へ。S:State(状態)─脳と身体のコンディションを整える。T:Teach(教える)─教えることでわかることがある」「人のパフォーマンスを改善するには、情熱と行動のつながりに注意を払う」などと指摘する。


よい人生を送るためのポイントは「意志力とは筋肉のようなもので、訓練で強く出来るし、使いすぎれば疲れもする」「瞑想は信念を書き換える」「リスクを取らずにいることはあなたを弱くする」「時間、愛着、期待の3つの要因すべてが揃って、はじめて恐れが姿を現す」「他者を気遣える人の特性は、率直さ、思慮深さ、責任感、結果思考」「空腹以外で食べている時は、すべて感情にひきずられて食べている」「直接顔を合わせて行うコミュニケーションは、オキシトシン(※信頼ホルモン)の放出を最も刺激する」「同意できない何かに直面するときにこそ成長の機会が訪れる」などを挙げる。


よい人生を送るため、具体的に取り組むこととして「嫌な気持ちを吐き出したくなったり、不平不満が湧いてきたり、ネガティブな考えに支配されそうになったときは、5分間ありったけを吐き出し、生産的なモードに復帰する」「睡眠、充電、感謝、マインドフルネスに集中する」「筋力を強化して炎症と酸化ストレスを減少させる」「食事のポイントは①量を控え、何度も食べない②たんぱく質を取る③野菜を食べる④魚の油を摂取する」「大事なことは、①感謝をする②脳の配線を理解する③身体は自分に従ってくれないことを知る」「人生の目標を設置するには①経験したいこと②人間として成長したいこと③世界に貢献したいこと、あるいは自分の足跡を残したいこと、の分類を念頭において時間をかけて検討する」などが参考になる。


瞑想に際しては「何かを期待することをやめ、無心になってものごとが起こるに任せる」「瞑想は心と体のウェルネスを促進し、健康的な社会をつくるための改革を牽引する原動力になる」とし、大事なハックとして感謝を提言。「身体に『危険ではない、安全だ』と知らせる最高にして最善の方法は『感謝』すること」「あなたにできることは、感謝と赦しにつながるストーリーか、腹を立てつづけることになるストーリーか、いずれかを選ぶこと」「就寝前に何か感謝できることを思い浮かべるシンプルな儀式を行っていれば、ミトコンドリア酵素が増え、もっと幸せを感じられる」「自分の中にネガティブな感情があることを認め、そんな感情を引き起こした出来事や状況について、見方を変えれば自分に何らかの利益をもたらしてくれていないか、今日の自分を形成してくれていないかと考えて感謝し、ネガティブな気持ちを手放す」ことを強く薦める。


なかなか良書なのだが、和訳タイトルがいけてない。英語では「GAME CHANGERS What Leaders,Innovators,and Mavericks Do to Win at Life」。こっちのほうが、名は体を表す、となっている気がする。ま、面白い本だった。