今年121冊目読了。和歌山に放課後スクールPETERSOXを立ち上げ「いつでも、どこでも、自分らしく輝ける社会をつくる」をビジョンに掲げ、現在までに10,000人以上の子どもと大人にライフスキル教育を提供している筆者が、子育てにあたってどのような習慣をつけさせればよいかを書き著した一冊。
子育てにあたっての前提として「自分をゴキゲンにすること以上に、大事なことはない」「自分の価値を決めるのは『失敗から学ぶ姿勢』『成長するための努力』『最高を作るための準備』」「起こった出来事に『良い』『悪い』はない。長い目で見れば、評価はころころ入れ替わるから。」と述べる。このあたりは、キャロル・S・ドゥエック「やればできるの法則」とシンクロする部分が多い。
また、子供の人生を幸せに導く「非認知能力」として「学校のテストでは測れない、目には見えない能力」があるとする。具体的には「①自分とつながる力:自分の感情や思考、強み弱みを理解し、自分を大事に思える能力②人とつながる力:周りの人と良い関係性を築く能力③夢を実現する力:自分が決めた目標を達成する能力④問題を解決する力:問題やトラブルを適切に対処する能力」であると説く。
基本の心構えとして「子供はやればできる、と心の底から信じきる。心配するのをやめて、信頼する」「改善点は、成長できるチャンス」「子供の人生に干渉しすぎず、失敗する機会を失わず、適度な距離間で見守る」と述べ、具体的に取るべき行動として
・子供の好奇心を育てるために
→邪魔しない、焦らさない、求めない
・子供のやる気を育むために
→子供のいいところを毎日3つ伝える
・自己決定力を高めるために
→①邪魔しない、口出ししない、答えを教えない②選んだ理由を聞く③選択肢を与える
・子供の言い訳を問題解決に導くために
→ステップ1)状況を聞く ステップ2)言い訳を受け止める ステップ3)解決策を問いかける
・子供にルールを守らせるために
→ルールの目的を伝えたり、なんのためにルールがあるのかを考えさせる
・子供に片づけをさせるために
→①スペースを分ける②3つのボックスで整理整頓③片付いた状態を体験する④クリーンアップタイムを設ける
・子供に目標を達成させるために
→①期間を短く②100%達成できること③自分で決める
・子供を目標に向かって努力させるために
→目標の目的を考えさせるべく「どんないいことがある?」と問いかける
・子供の聞く力を高めるために
→①まず親が子供の話を聞く②具体的な行動を肯定語で伝える③聞くことで得する体験をさせる(誉める)
・子供に間違いを認めさせるために
→①感情をフォローする②人格を否定しない③謝るポイントを確認する④誤った勇気を褒めてあげる⑤親が謝る姿を見せる
というところを提示。どれもそれはそうなのだが、言うは易く、行うは難し…まぁ、子育てと言うのはそういうものなのかもしれない。わかりやすく、読みやすい良書だ。