今年143冊目読了。父親が4人(!)という奇想天外な設定ながら、それが様々な事件に巻き込まれつつも収斂していく面白い小説。
これも面白い。自分が父親だからこそ、なおのこと、心に響く部分が多い。展開のスピード感も、伊坂幸太郎ならでは。本当に、今年は伊坂幸太郎をよく読んだなぁ。
ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。
「幼少の頃に親から聞かされた言葉というものは、子供の行動や思考を支える基盤、思想の土台たる部分に否応なく染み込んでいるもので、従うものか、と思いつつも、どうしても影響を受けてしまうらしい」
「絶対に自慢話はするな。自慢話ほどつまらないものはない」
「人ってのは、自分が信じたい、と思っていることを信じるんだよ。それと、その噂が面白いものであればあるほど、広く伝わっていく」
「元気付けるには、相手のいいところを誉めてやるのが一番だ」
「人間っていうのは、抽象的な問題が苦手なんだ。抽象的な質問から逃げたくなる。そこで逃げずに、自分に分かるように問題を受け入れて、大雑把にでも解読しようとするのは大事なことだ」「どんなに発想が豊かで、賢くても、相手を不快にして、退屈にさせるようだったら意味がない」