世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】伊坂幸太郎「チルドレン」

今年137冊目読了。今年、すっかりハマったベストセラー作家が、不思議な福祉士と彼を取り巻く人々が起こす不思議な物語。


偉そうな道徳を述べるわけでもない。述べたとしても、あっさりひっくり返す(笑)。それでもなお、なるほどなぁと思ったり、ほっこりしたり。筆者の筆の冴えを感じる短編小説集だが、そこは伊坂幸太郎、短編それぞれが微妙に絡まって長編になっている、という王道の楽しさがある。


ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。


「予想外も予想外、人生いたるところに驚きが隠れているものだな」


「子供は親を許すことに慣れている、というのはありそうなことだったし、『親は子供を幻滅させてばかりいる』ということは、僕が常日頃感じていることとも一致した」「『復活』それは、とても良い響きの言葉に感じた。力強く、希望に溢れているし、可愛らしさすら含まれている気がした」


「いつだって黄金時代は、その時には気がつかず、後になってはじめて、『あの時は良かったな』とわかるもの。もしくは、まだ見ぬ未来にだけ存在している、ということか」


「人っていうのはさ、ショックから立ち直ろうとする時には、自分の得意なやり方に頼るんじゃないかな」


「夫婦の揉め事を突き詰めていくと、たいていが同じ原因にぶつかる。『意地』と『我慢』だ」


「そもそも、大人が格好良ければ、子供はぐれねえんだよ」