今年68冊目読了。リーダーシップの世界的権威である筆者が、そのノウハウを書き表した一冊。
細かく能力別に分かれているので、どこから読むかによって人の受け取り方はそれぞれ。いろいろな悩みに答えてくれるが、使い方は本人次第、ということなんだろうな。気になった部分だけでも、なかなか深いことが書いてある。
リーダーシップについては「本物のリーダーシップは内面から開発されるべきものだ。内面的に理想のリーダーになることができれば、外面的にも理想のリーダーになることができる」と定義する。
人格については「①人格は口先だけのものではない②才能は天賦のものだが、人格は選択できない③人格は部下との関係に永続的な成功をもたらす④リーダーは自分の人格以上のことはできない」。
コミュニケーションを円滑にするには「①メッセージを簡潔にする②相手のことを考える③真実を示す④反応を求める」。
勇気については「①勇気は内面の戦いから始まる②勇気とは、物事を正しくすることである③勇気は『この人についていこう』という人びとの気持ちをかき立てる④勇気を持つと、人生はもっと広がる」。
時間とエネルギーの配分は「70%を強みに割り当て、25%を新しいことに割り当て、5%を苦手なことに割り当てる」。
物事を創始できるリーダーの特徴は「①自分が何をほしいかを知っている②行動に向けて自分を後押しする③すすんでリスクをとる④より多くの間違いを犯す」。
話を聞くことについては「いたるところで、多くの人びとが自分の話を聞いてほしがっている。相手の話に耳を傾けるときに考えるべき事は、聞くことは人びとと接触することであり、そこから学ぶことである」。
前向きな姿勢を保つためには「①心の持ち方は自分で選べる②心の持ち方は行動を決定する③あなたの部下は、あなたの心の持ち方を映し出す鏡である④前向きな姿勢を維持することは、それを取り戻すよりもたやすい」。
学習意欲を持ち続けるためには「①慢心を克服する②成功を乗り越える③安易な道を選ばない④プライドを捨てる⑤同じ失敗に対して二回も代償を払わない」。
ビジョンについては「①ビジョンは内面から始まる②ビジョンは過去から生まれる③ビジョンは人びとのニーズに応える④ビジョンは資源を集めるのに役立つ」。
諸々述べられているが、一番大事だと感じたのはバルザックの言葉「人びととうまく付き合う上での最大の障害は、自分自身とうまく折り合いがついていないことである」の部分。結局、自分を扱えない人間が人を導くなんて事はできない、ということなんだろうな…