今年135冊目読了。週休3日を実践するコンサルタントである筆者が、仕事のムダが必ずなくなる方法を、実際の取り組みから提言する一冊。
時短に踏み切るJITANステップとして「justification(べきはやるべき、正しいことを正しくやる)identification(無駄な作業の棚卸し)time-based outcome(時間当たりの成果)assessment(振り返り、評価)no exception(例外なし)」は、こじつけ感満々だが理解できる。
具体的に取り組むやり方としては「目標を達成し、成果が上がった会議は①目的が明確②検討課題が事前に共有されている③必要な人が参加している」「アイデアは質よりも量にまずこだわり、日常の激務から一歩離れたすきま時間にリラックスして考えるのがよい」「Web会議の発言者は、できる限り具体的に言語化する必要がある」から「メールは、タイトル35文字以内で奇数とカタカナを入れる。本文は105字まで」「スライドの文字数は105字以内、カラーは3色以内」まで、かなり多岐にわたる。
取り組むにあたって、留意すべき事としては「行動を変えて、振り返りにより腹落ちして、その後の行動に反省点を活かす」「止まって振り返る時間が必要」「ギャップ(必要だけれど提供されていないこと)が価値を高める」「働きがいを感じるのは、承認、達成、自由」「会社に頼るだけでなく個のブランド力が必要になる」のあたりが参考になる。
失敗企業の共通点「①成果の定義が決まっていない②目的と手段をはき違える③何か有効な魔法があると信じて探し続けている」、成功企業の共通点「①量の改善だけでなく質の改善をしている②デメリットではなくメリットに目を向ける③マネージャーが社員は経営資源と捉えている④経営戦略の一環として取り組んでいる⑤成功パターンの発見プロセスだと思っている」を挙げて「目的と手段を明確にしよう」「まず行動を変えて、意識が変わったことに気づかせる」が導き出される、というのは、なかなか納得できる。
あまり深く考えずに、サクサク読めるのがありがたい。逆に言えば、買って読み込むほどの本ではないかな、とも感じる(実際、図書館で借りた)。手元に置く必要はなく、要素を掴めば、後はやるだけ、と思った。
余談だが、イノベーションは、日本語では「技術革新」だが、シュンペーターの定義では「新結合」だ、ということは知らなかった。