世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】田坂広志「運気を磨く」

今年102冊目読了。内閣官房参与も務めた多摩大学大学院教授の筆者が、心を浄化する3つの技法を提唱する一冊。


そもそも、運気とは「第一:何かの勘が働く(直観)。第二:ふと未来を感じる(予感)。第三:上手く機会を掴む(好機)。第四:偶然の一致が起こる(シンクロニシティ)。第五:何かの意味を感じる(コンステレーション)」と定義する。


そして、世の中の原則として「我々の『心の状態』が、その心と共鳴するものを『引き寄せる』」「『ポジティブな想念』=『良い想念』を持つと、『ポジティブな出来事』=『良い出来事』や『良い出会い』を引き寄せ、『良い運気』を引き寄せる」があり、しかし「我々は、多かれ少なかれ、過去に味わったネガティブな体験に起因する不安や恐怖、不満や怒り、嫌悪や憎悪、そして、自己限定や自己否定といったネガティブな想念を、心の奥深くに抱いている」と指摘する。


●良い運気を引き寄せる技法1:「無意識のネガティブな想念」を浄化していく
「第一の習慣:自然の偉大な浄化力に委ねる。第二の習慣:言葉の密かな浄化力を活かす。第三の習慣:和解の想念の浄化力を用いる。」
「自然に『身を浸す』。そして、自然と『正対する』」「ネガティブな言葉を使わず、ポジティブな言葉を使う。そのためには、①『感嘆』の言葉②『感謝』の言葉③『感動』の言葉、が大事。『心』の状態が、語る『言葉』を変えるだけでなく、語る『言葉』が『心』の状態を変えていく」「『心の世界』で、一人一人に感謝の言葉を述べて和解する」


●良い運気を引き寄せる技法2:「人生でのネガティブな体験」を陽転していく
「第一の解釈:自分の人生には多くの『成功体験』があることに気がつく。第二の解釈:自分が『運の強い人間』であることに気がつく。第三の解釈:過去の『失敗体験』が実は『成功体験』であったことに気がつく。第四の解釈:自分に与えられた『幸運な人生』に感謝する。第五の解釈:自分の人生に与えられた『究極の成功体験』に気がつく。」
「何が起こったのか。それが、我々の人生を分けるのではない。起こったことを、どう解釈するか。それが、我々の人生を分ける」「我々の人生の分かれ道は、どのような『失敗体験』においても、『失われなかったもの』や『与えられたもの』に目を向けることができるか否か」「我々は、いかなる過去の『不運に見える出来事』も、それを自らの成長に結びつけることによって、『幸運な出来事』に変えることができる。そして、いかなる過去の『失敗体験』も、それを自身の成長の糧とすることによって『成功体験』に変えることができる」


●良い運気を引き寄せる技法3:「究極のポジティブな人生観」を体得していく
「第一の覚悟:自分の人生は、大いなる何かに導かれていると、信じる。第二の覚悟:人生で起こること、すべて、深い意味があると、考える。第三の覚悟:人生における問題、すべて、自分に原因があると、引き受ける。第四の覚悟:大いなる何かが、自分を育てようとしていると、受け止める。第五の覚悟:逆境を越える叡智は、すべて、与えられると、思い定める。」


最後の「『良い運気』を引き寄せることを超え、『人生を拓く』ために我々が為すべきは、ただ『心を磨く』こと、『心を磨き続ける』こと」の部分は重たい提言。心したい。