今年80冊目読了。RESM新横浜睡眠・呼吸メディカルケアクリニックを設立した筆者が、睡眠の質を上げるために何をすべきかを解説する一冊。
さらっと読めるが、中身はそれなり。睡眠を考え直すにはちょうどいい本だと感じる。お手軽本、といったところか。
そもそも、睡眠を「眠っている時間は『空白の時間』ではなく、日中のパフォーマンスを高めるためのメンテナンス時間。むしろ、『自分への投資の時間』としてとらえる」と定義し直すあたりはけっこう大事なことだと思う。
そして、「人は眠っている間、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す。深い睡眠であるノンレム睡眠でもっとも深い『深睡眠』と呼ばれる状態は、眠ってから4時間以内に現れる。眠りはじめの4時間が大事」「ストレスの解消効果があるのはレム睡眠のほうで、その状態にある時間を十分に確保するには、短時間の睡眠では足りない。7~8時間ぐっすり眠りたい」のあたりは知識として押さえておきたい。
豆知識レベルではあるが「たまった睡眠不足の返済は、1週間のあいだに30~60分程度の範囲でゆっくり時間をかけてしていく」「目の疲れをとるには、蒸しタオルで目を10分ほど温める」「朝早い日の前夜は、いつもどおりに寝て睡眠時間を削る。睡眠時間こそ少し削られるが、睡眠の質は確保できている」のあたりも知っていると便利な話だ。
食べ物の面でも「トリプトファンがセロトニンを経てメラトニンに変化。トリプトファンを多く含む食品は、納豆やみそなどの大豆製品、チーズやヨーグルトといった乳製品、卵、ナッツ類など」は参考にしたい。
そして、アラフィフのオッサンとしては「40歳を超えてからは、メラトニンの減少を補うこと、体内時計を調整しやすい生活リズムを心がけることが、質の高い睡眠やすっきりした寝起きに欠かせない」は切実だと感じる。
ブルーライトばかりが強調されるスマホの問題が「睡眠にとってスマホが大きく影響しているのは『次は次は…』と加速度的に反応しなくてはという『マインドワンダリング』を起こす原因になっている」というのは驚いた。そうなんだ…