世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】伊坂幸太郎「バイバイ、ブラックバード」

今年120冊目読了。ベストセラー作家が、5人の女性と付き合っていた男性が巻き込まれる数奇な運命を不思議なタッチで描き出す一冊。


それぞれの女性に対して、不思議なやり取りが繰り広げられ、結果的になぜか良い結末になる、というのは伊坂ワールドだなぁと感じる。面白いは面白いのだが、ワクワクやスリリング感がなく、ちょっと自分の趣味とは合わなかったかな。


ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き書き。


「想像力が豊かな奴は生き残れねえよ、いまどき。やりきれないことが多すぎる世の中なんだから、何にも考えないほうがいいさ」
「終わりは遅かれ早かれ来たわけだ。なのに、何も悪いことをしていないのに僕ちゃん悲劇に遭遇しちゃった、みたいな態度を取るんじゃねえよ」
「人間ってのはな、死ぬ直前まで、自分が死ぬことなんめ受け容れられねえんだよ」
「いいか、人間が最後の最後に見捨てられないためにはな、『自分は必要な人間です』『役に立てます』と主張するしかねえんだ」


「人の存在は、統計や確率とは関係なくて、ただ、その『一人』だ」
「どこからどこまでが演技か分からなくて、どれが自分の本当の感情か判断できない」