世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】高尾義明「はじめての経営組織論」

今年2冊目読了。首都大学東京大学院経営学研究科教授の筆者が、組織を学術的な知識の体系を踏まえてその本質から考える一冊。

…が。正直、読みにくいし、疲れるし、そのくせ中身が薄い。専門用語をあちこちから切り取ってきて解説しているだけで、どうにも消化不良。この本を読んで、今後の組織運営に役立てることができる、とは到底思えない。

そんな中でも、拾い読んでみた。様々な組織絡みの定義として「組織の成立条件は、組織目的、貢献意欲、コミュニケーション」「リーダーの行動は、配慮行動と構造づくり行動」とする。

また、組織の陥りやすい罠として「あまりに細分化された単一の仕事のみを繰り返していると、仕事へのやる気を失っていく」「何の工夫もなしにコミュニケーションをしていると、コミュニケーションが爆発的に増えてしまったり、調整のためのコミュニケーションにもっぱら時間を使うことになってしまったりしかねない」「規則に従えばよいという態度は、規則に従うという手段を目的に置き換えており、積極的な貢献意欲とは対極的」とする。

組織の変化については「組織メンバーにどのような経験の機会を与えるか、学習に影響を与える相互作用をどのように喚起するかなどといったことを通じて、組織は個人の学習に働きかけている」「単なるトップダウン型でもボトムアップ型でもなく、計画と創発の融合を図ることが求められる」「イノベーション創出に向けた組織マネジメントの特徴として①知識の獲得、創出②高い不確実性③高度な調整④楽し式との多面的な関係構築」とする。

正直、つまらない大学の講義の、それでもわかりやすい風に見えるから受講するには買わないといけない、というようなレベル。全体を網羅しよう!!という気概のある方にも、あまりお勧めはしたくない。