世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】東京大学広報室「素朴な疑問VS東大」

今年20冊目読了。大学活動を広める広報室が、「なぜ?」から始まる学術入門をする一冊。


体、身の回り、自然科学、環境に関する素朴な疑問41個を学術的に解き明かすというプロセスはなかなか面白い。読む人によってポイントは全く異なるだろうが、興味深く読めた。


自分が気になったのは「疲れると眠たくなるのは、カルシウムイオンが神経細胞に入るから」「楽しい時間があっという間に過ぎるのは、心の時計を早送りする神経伝達物質が出るから」「利き手と非利き手があるのは、二つの手をうまく協調させて動かすため」「あいうえお、あかさたなの順は、密教の僧侶が梵字を勉強したから(インドの字母表の配列に従っている)」「電化が温暖化防止に必須なのは、電力は将来100%非化石エネルギーで作れるようになるから」「温暖化が進むと、日本の梅雨は災害につながる豪雨が各地で増えそう」のあたり。これは人によってだいぶばらつくだろうな。


あと、心に響いたのは「基礎研究は、『これは世の中に役に立つぞ』と予想するものではない。目の前に謎があるから、それを知るために実験をし、答えを見つける。その過程は楽しく、喜び」「過去は将来を解く鍵」のあたり。これは全ての真実ではなかろうか。