今年14冊目読了。東京藝術大学大学院美術研究科教授、大正大学名誉教授、東京藝術大学大学院非常勤講師の筆者が、128件の国宝を紹介するという一冊。
「国宝は、制作の観点から見て、特に技術が優れているおの、または歴史的学術的芸術的に価値が高いものである。国宝は、重要文化財の中でも、特に世界文化の見地からも価値の高いものであり、日本の歴史や文化を代表するものである。言うなれば類まれなる国民の宝である」という序文の言葉には大いに賛成するものの、あまりにも専門的・詳細な記述が多すぎて、せっかくの国宝の個別紹介が魅力的に伝わってこない。国宝は、その歴史的経緯、価値が認められる部分など、面白い逸話があるものだが、専門家が知識をこねくり回しているようにしか思えない。
筆者は「ぜひ、この本をご活用いただき国宝に親しんでいただきたい」「基礎的なことを理解できるように配慮し、また、興味が拡がるようにユニークな独自の視点を織り交ぜている」と記載しているが、どうにも肯んじ得ないというのが正直な感想。
図書館にあったから借りてきたが、かなり期待外れ。定価は3,500円(!)もするし、まぁ、読むのはお薦めできないな…