世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【Nスペ「映像の世紀プレミアム」の迫力から。】

かねてより大ファンである「映像の世紀」。「新・映像の世紀」も面白かったが、さらにその二つをテーマで組み合わせる「映像の世紀プレミアム」。これがまた面白い。隠された秘話を映像で解き明かしていくというアプローチがワクワクする。そこから、感じたこと。

《ポイント》
●影像と語りには、インパクトがある。
このシリーズが好きなのは、「衝撃的、または迫力ある映像」と「感情を抑制したナレーター(山根基世山田孝之)の語り」の組み合わせの落差で、メッセージを力強く与えてくる点だ。人間の脳は、落差に弱いので、その点をうまく突いている。

●既存の情報をひっくり返す。
これも、このシリーズの楽しみ。今回は「ミッドウェー海戦」でそれを見せつけられた。自分は、これまでの定説「南雲中将が、航空戦用の爆弾と対艦用の爆弾を付け替えるのに時間がかかった」のが敗因と思っていたが、「偵察飛行の慢心により、南海の雲の下の低空飛行を怠ったことで、米国空母艦隊を見逃した」というのは初めて知った。

《問題の所在》
●最初に入ってきた情報で、認知が固着してしまう。
人間は、どうしても最初の情報を大事にしがち。なぜなら、脳はサボり癖があるから(考えると、猛烈にエネルギーを使う点からも、過労を避けるための生存本能ではあるが)。
しかし、それではまさに「認知固着」から「思考停止」に陥ってしまう。常に、自身の前提を疑う思考の柔軟性を持ち続けることが大事だ。

他方、認知がひっくり返るという場合も、「影像(視覚情報)の力強さ」のインパクトにはどうしても弱い。「それ、視覚に騙されていないか?」という疑問の持ち方も、また大切になってくる。

自戒の念を込めて。