世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】ダイアナ・ホイットニー、アマンダ・トロステン=ブルーム、ケイ・レイダー「なぜ、あのリーダーの職場は明るいのか?」

今年83冊目読了。コーポレート・フォー・ポジティブ・チェンジ社社長、常務取締役、レイダー・コンサルティング社社長の筆者が、ポジティブ。・パワーを引き出す5つの思考法を書き記した一冊。
 
〈お薦め対象〉
職場をよくしたい全てのリーダー
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★
 
自分の問いは3つ。
『なぜリーダーシップを変える必要があるのか?』には「人生において大切なことはすべてコミュニケーションの過程から生まれる。人は何かをやれと命じられるのではなく、役に立つことを求められることによって一体感を覚え、任されている実感を持つ。組織とコミュニティが変化し、新しい世代が社会を担い、多様であることが珍しくなくなり、新しい社会の仕組みが生まれ、全体を見据えた持続可能なアプローチが不可欠になっている」。
『リーダーにはこれから何が求められるか?』には「現状を肯定的にとらえるプロセスを意識的につくりあげることで、人と組織は学び、成長できるという信念を持つ。ポジティブな力を解き放つため、安心して話せる場をつくる。リーダーとして大切にしている価値観を見いだし、それを使って望んだとおりの成果を生み出す」。
『リーダーが心掛けるべきことは何か?』には「人が心から望む現実を作り上げるため、言語、語り、メタファーを重視する。自分に語り掛ける言葉をポジティブにし、ほかのメンバーの強みや成功事例を見つけ出す。全体像を視野に入れて行動し、成長し、進化する」。
 
若干、表現が迂遠で繰り返し同じことをあちこちから言っている感があるが、その主張の大意は非常に賛成できる。5つの思考法として「強み発掘思考、価値見える化思考、つながり拡大思考、ワクワク創造思考、みんなの利益思考」を挙げている(英語ではInclusion,Integrity,Inspiration,Illumination,InquiryとIから始まる5つ)。今までのリーダーシップの本でなんとなく意識していたことではあるが、こうやって言語化されるとやはりわかりやすい。
他にも「問いかけ、疑問を抱き、目をこらし、子細に検討することから学びが生まれる」「本心を語っても面倒なことにならないと理解すれば、人は自ら語り始める」「潜在力に目覚めることで、人は行動に駆り立てられる」「ユーモアは、人や職場をポジティブな方向に向ける」など、納得できるフレーズ多数。ちょっと読むのが大変だが、一読をお勧めしたい。