今年78冊目読了。アメリカの小説家にして、実際に従軍記者として戦場に身を投じた筆者が、戦後にわたったキューバでの光景から小説化した一冊。
珍しく、この本は若いころに読んでいたのだが、その頃にはどうもその魅力がよくわからなかった。中年になってみて再読すると、その深みを感じることができる。老人の相手をする少年の存在が、世代を超えて引き継ぐべきものがあるという気持ち、その勇気、などいろいろなものを感じさせる。また、狙った獲物であるが、それがあたかも戦友のようになっていく様子も、ある程度の人生経験を積まないと共感しづらいものがある。
短い本ではあるが、じつに良書だ。昔読んだときに面白くない、と思った本でも(いや、そんな本こそ)読むべきである。そういうことを感じさせてくれた。やはり、読書は面白い。