今年5冊目読了。将棋連盟の五段プロ棋士が、藤井聡太先生の棋譜から、藤井先生の考え、狙いなどを詳しく読み解いていく一冊。
とにかく、着想、読みの深さ、指しきる覚悟。どれをとっても、今までの将棋棋士とは全くレベルが異なる。羽生善治先生の棋譜を並べても、ここまでの驚きはなかった。まさに神局というべき棋譜が並ぶ。
さすがに棋譜を書いても何が何やら、なので(苦笑)、気になったフレーズを抜き書き。
「棋譜並べとは何十局と棋譜を並べてほのかに輪郭に触れるような感覚。けれど確かに触れることが出来る。棋力に関係なく自分の感覚で触れていい」
「相手の攻めを呼び込んで受けに回った指し方に驚いた。一方的に攻められる展開は避けろと教わっていたからで、早くも常識を覆された気分になった」
「王手の応手意外は全く受けの手を指さずに、本気で最短距離を走り抜けたようなすごみがあった」
「雁木自体は江戸時代から指されている形だが、最新のAIが好む形であり、温故知新という言葉がぴったりの戦型だ」