【読了】今年30冊目読了。ワンキャリア再興戦略責任者、レントヘッド代表取締役の筆者が、天才・秀才・凡人の関係性から職場の人間関係を書き記した一冊。
〈お薦め対象〉
職場の人間関係に悩むすべての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★
自分の問いは3つ。
『人間社会はなぜ生きづらいのか?』には「人の悩みは、自分のコントロールできないことを無理やりコントロールしようとすることから生まれる。人が思い悩む根本は、自分の才能をコントロールしようとしたとき。人類の最大の敵は飽きであり、飽きると、イノベーションは消滅かコモディティ化する」。
『人間と人間関係のパターンとは?』には「天才は想像性・アート・あるべき姿を照らすもの、秀才は再現性・サイエンス・現状を見つめるフラスコ、凡人は共感性・クラフト・アートとサイエンスの溝を埋めるシャベル。皆がいいと信じていることは、破壊的パワーがあり、かつ半分くらいは理屈がない。コミュニケーションの断絶は、軸(その人が価値を判断するうえで前提となるもの、絶対的)と評価(軸に基づいて善悪を評価すること、総体的)による」。
『変化を起こすために留意すべきことは何か?』には「創造性は、凡人の反発の量で間接的に観測できる。革新的イノベーションは、組織の飽きをモチベーションにした、世の中の余白に対する天才の指摘によって生まれる。人の心を動かすのは、自分の言葉だけ」。
これは非常に慧眼である。天才、秀才、凡人というパターン化は好ましいとは思えないが、それでも大いなる説得力を持っているところが凄い。なるほど、これはベストセラーになったわけだ。とりわけ、「自分に配られた才能を世の中に出し続けると、才能は磨かれ、過去最高の自分に出会える」というフレーズは、筆者が世の中の核心を掴んでいることを感じさせる。
さらりと読めるうえに、説得力抜群。残念ながら自身のカードが「凡人」であっても、それでもなお自分だからこそできることがある。そんな勇気をもらえる一冊。読みやすいし、ぜひ、一読をお勧めしたい。