世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【仕事の心理学】メンバーの評価コメント

リーダーには「メンバーを評価する」という大事な仕事がある。そして、それにコメントを書くことも、また必須(←過去の上司から「あなたの方が文章を書くのがうまいから」と、自分の評価コメントを自分で書かされる、という稀有な体験をしたことはあるが)。
そこを、考えてみた。

《ポイント》
●人間の脳は、見たい情報を選択的に見る。
脳は、網膜に映っているもの全てを見ているわけではない。ついつい、自分の見たい情報を選択してしまう。これは、脳のエネルギー消費を節約するため。
しかし、この機能のせいで、つい、「この人はこういう人だ」と決めつけ、それに合った情報ばかり集めてしまう。これでは、評価は歪む。

●コメントへの「ダメ出し」がない。
普通の資料は、上司のチェックが入るのだが、このコメントは性質上、フィードバックする相手と人事しか見ない。かつ、見ても直すという事が現実的に有り得ないので、つい、好き放題書いてしまいがち。

《問題の所在》
●そもそも「客観的コメント」は有り得ない
自分の二つの目玉だけで書くものに、客観的など有り得ない。本来、文章の客観性を上げるには、できるだけ多くの人に見てもらうのが一番なのだが、さすがにコトの性質上、それもかなわない。
「好き嫌いで評価を決めている」「不平等だ」のそしりを免れるためには、「普段から」メンバーと対話し、それぞれのメンバーをどう評価しているか、を把握する事で、独り善がりの視点の歪みを調整しておくことが求められる。

自戒の念を込めて。