今年28冊目読了。東京大学総合教育研究センター准教授の筆者が、100年ライフを生き抜くスキルを身に着けるための学び方を書き記した一冊。
〈お薦め対象〉
すべての働く大人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★★
〈実用度(5段階評価)〉
★★★★★
自分の問いは3つ。
『なぜ、大人の学びを考える必要があるのか?』には「事業、市場、必要になるスキルと知識は、時代と共に常に変化する。大人は、何もしなければ次代の子供より劣る存在になってしまう。自らの健康寿命に至るまで働くことを余儀なくされる」。
『大人の学びのポイントは?』には「まずやってみて、結果に対する違和感やずれから、正しい背伸びの方向をつかむ。聞く・考える・対話する・気づく、変わるというサイクルを取る。フィードバック(どこでどんなときに、どんな行動をしたことが、どうよかったか悪かったか)を意識する。」。
『どのような価値観が大事か?』には「学びの主導権は自分にあり、背伸びなくして学びなし。新たな環境変化に対して、好奇心と興味を失うことなく、自分を常にモニタリングし自ら立て直していく。適切なタイミングで過去を捨てる。あえて慣れ親しんだ日常から出ることで、発見や気づきを得る」。
わかりやすく整理されているのに非常に骨太な主張で、身につまされる。「学びの原理原則は、背伸びの原則・振り返りの原則・つながりの原則」「具体的行動は①タフな仕事から学ぶ②本を1トン読む③人から教えられて学ぶ④越境する⑤フィードバックを取りに行く⑥場を作る⑦教えてみる」など、実にわかりやすいが痛みを伴うものばかり。そして、そこを超えるべき、という主張も非常に納得のいくものである。
そして、「学び手」を実例で紹介する中に、畏友がいる(!)ということもあるのだが、本当に時代は変わってきていることをリアルに痛感できる。これは、ページの向こうの世界ではなく、すでにリアルに動きつつある世界のうねりだと感じる。
すでに、今年一番の良書の予感(少なくとも現段階ではトップ)。絶対必読の書である。超々お薦めしたい。