今年11冊目読了。作家と心理学者の筆者が、対談内容をさらりと書き記した一冊。
〈お薦め対象〉
生きることに迷う、生きることに向き合おうとする人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★☆☆
自分の問いは3つ。
『世の中の法則は?』には「分けられないものを明確に分けた途端に消えるのが魂。自然と繋がりすぎると客観的考察ができなくなる。生命とは矛盾をはらんでいる」。
『人間の陥りがちな行動特性は?』には「自分の知っている範囲内で個に執着する。ありのままの現実を受け入れず、その人なりに物語化して記憶にしていく。了解不能なことは、相手を置き去りにしても了解する」。
『人間はどう生きるべきか?』には「やさしさの根本は死ぬ自覚であることを忘れない。沢山の選択肢を持ち、その中からパッと最善手を選ぶ。厳密さと曖昧さの共存を考え、矛盾をごまかさない」。
対談形式で、さらりと読める文庫本。やや散漫な印象もあるが、狙って絞り込まない以上、こうなるのだろう。深い考察というより、軽く読んで、引っかかったところをキーに内省する、という読み方がいいのかもな。