世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】大久保幸夫、皆月みゆき「働き方改革 個を活かすマネジメント」

今年58冊目読了。リクルートワークス研究所所長と、産業ソーシャルワーカー協会代表理事の筆者が、働き方改革の真意と今後の展開を書き記した一冊。
 
〈お薦め対象〉
働き方改革に興味のある人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★☆☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★☆☆
 
自分の問いは3つ。
『現状の職場の問題点と昨今の流れは?』には「賃上げの必要性・長時間労働の是正・AI、IoT・人手不足・高齢化社会。」。
『マネージャーはどう行動すべきか?』には「部下の強みを言語化する。手待ち時間に注目し、習慣化した業務フローを見直す。過剰サービスを減らす」。
『マネージャーが心掛けるべきことは?』には「過剰サービスは、管理者がやめさせない限りなくならない。生産性の向上のボトルネックは、現場のマネージャーが全体を理解、納得しないこと。相手の気持ちを理解するため、一歩踏み込む事が必要で①真摯な思いで向き合う②個別化③意図的な感情表出④統制された情緒関与⑤受容⑥非審判的態度⑦自己決定⑧秘密保持、に心掛けるべき」。
 
書いてあることはもっともなのだが、やや理論武装に走りすぎた感があり、読んでいても肌感覚での納得感がやや弱いのが残念。ただ、昨今の政府の取り組みと、それを実装する際の課題をアウトラインとしてわかりやすくまとめられているのはありがたい。
基本的な姿勢「どのような部下にも能力があり、誰も見切らず、能力を発揮させていく」「部下との関係が永遠に続くわけではないからこそ、目の前の部下に対してかけがえのない存在として向き合う」などは非常に共感できるだけに、もう少し「実践的」な内容での続巻を期待したくなる。