世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【国立科学博物館で、世界遺産を思う。】

 三連休の最終日(唯一の晴天)、国立科学博物館に家族で向かう。目指すは「おとなとこどものたんけん広場 コンパス」。とにかく並ばないと取れないチケットなので、父親たる自分が先乗りしてチケットをなんとか確保した。

 で、嫁と子供が来るまでに少し時間があったので、「THEATER36〇」という映像展示を見ることに。

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テーマは「恐竜の世界」「人類の旅」の二本立て。


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 いずれも迫力の360度映像で、とても楽しめたのだが、やはり、ここでも世界遺産を知っていることが、楽しみ方を深めてくれる。

「恐竜の世界」
 北米の「バッドランド」が舞台となって展開される迫力の映像。となると、世界遺産好きとしては、カナダの「ダイナソール州立公園」だ、とピンとくる。トリケラトプスティラノサウルスの闘いは、いずれも同公園で発掘されている化石である。
 さらに、「隕石が降ってきて、恐竜は絶滅した」というナレーションが流れると、南アフリカの「フレデフォート・ドーム」が頭に浮かぶ(実際は、メキシコに残るチクシュルーブ・クレーターが恐竜絶滅の原因ともいわれている衝突で、フレデフォート・ドームは「世界三大衝突の一つ」なのだが)。

「人類の旅」
 人類のグレート・ジャーニーを映像化しており、これも興味深い。もちろん、世界遺産と絡めて考えると、猿人の登場と言われるとエチオピアの「アワッシュ川流域」だし、現生人類と繋がってきた、と言われるとエチオピアの「オモ川下流域」と「南アフリカの人類化石遺跡群」。原人が世界に広がりだした、と言われると中国の「周口店の北京原人遺跡」とインドネシアの「サンギラン初期人類遺跡」(※ジャワ原人)。ヨーロッパ大陸に「壁画を残した」となると、スペインの「アルタミラ洞窟」とフランスの「ラスコー洞窟」。

 こんな感じで、理解が深まったり、イメージが増幅したりできる。これは、すばらしいメリットだと感じる。いわば、世の中に対して「世界遺産」という知識の縦糸を通しているので、「新たな情報」という横糸が入ってきたときに、しっかりと既存の縦糸で絡めとり、ものにすることができる、という感覚。

 まぁ、世界遺産に限ったことではないのかもしれないが、何かこういう「軸」を持つのは大事だし、世界遺産は多様な分野に広がっているので、「軸」として使い勝手がいい。そういう側面もあるだろう。

 「世界遺産」という看板を振りかざさずとも、自らの理解を深める助けとなってくれる。それが、世界遺産を学ぶ「副産物的な意義」なのかもしれない。