藤田美術館所蔵。
中国南宋時代、中国南部の福建省建窯で焼成された茶碗。漆黒の器で青や緑に斑文が光り、典型例は世界に3例しかない。徳川家康から水戸徳川家に渡り、藤田美術館に至る。
曜変天目茶碗とは、建窯で作られた建戔の一種。天目とは、中国の天目山一帯の禅宗寺院で修業した日本の留学僧が持ち帰った黒釉茶碗を天目と呼んだことに由来する。曜変とは、窯の中で焼成中に起こる偶然の変化を窯変といい、光り輝く曜の字を当てた。
見込に現れた斑文は円形や筋状となっており、椀の外側にも多数の曜変があり、この茶碗の特徴となっている。