世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【国宝・彦根屏風】

17世紀前半、紙本金地着色、六曲一隻、彦根城博物館。京都の六条柳町の遊里の人々を描く。15人の人物(遊女、遊女見習いの少女、客の若者、文を読む男、三味線弾きの検校)による緊密な構図と、衣装や器物の緻密な描写で知られる近世風俗画の傑作。彦根藩井伊家に伝わる。
背景は山水図屏風のみで、あとは全面が金箔。作者は狩野派の絵師とみられる。当世風俗を取り入れつつ、能の演目に由来する着物の柄、源氏物語や中国の画題「琴棋書画」に由来する小道具など、知的で洗練されと要素を持つ。
遊里が島原に移転されるまでに描かれたとみられ、変わりゆく六条柳町の遊里風俗を記録にとどめ置くために描かれたと思われる。
洋犬を連れた遊女のポーズは「寛文美人図」につながっており、これ以降「振り返る女」のモチーフは江戸の美人図に繰り返し登場する。



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現地にあるのは複製。

それにしても、みんな、全然注目してないんですけど!!国宝ですよ!複製とはいえ!!彦根屏風、もうちっと注目してほしい。そんな思いを、強くした。