世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【世界遺産候補・仁徳天皇陵。】

モヤモヤしつつも、仁徳天皇陵には罪はない。百舌鳥駅を降りて、早速、観光。

…しかし。これは厳しい!!大きすぎて、ただの「大きな小高い森」にしか見えないのだ。世界最大の墳墓、と分かっていても、その凄さが肌身に染みてこない。


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こんな感じですからね。

人間は、自分の認知を超えたモノに対しては思考停止する癖がある、というのは、脳科学を勉強してよく分かっているのだが、こういうことか…

ひたすら歩いて、「ドデカい」ことは感じられたが、ホントにそれだけ。ようやく拝所に辿り着いて、宮内庁管理の手入れが行き届いた状況から、御神域、と感じるのが精一杯。


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この光景は、さすがと思える。

逆に、想像力を駆使して楽しむ、というのは世界遺産マニアとしては面白味ではあるのだが、どう考えても一般ウケはしない。勿論、このような墳墓は世界に類がなく、顕著な普遍的価値、真正性、完全性は十分に備えているので、登録はかなり有力だと思う。しかしながら、一点不安なのは、地元が「世界遺産登録で、観光需要が盛り上がって町おこし!」とか思っていないか、ということ。正直、それは無理筋すぎる。世界遺産≒観光地であることは否定しないが、完全一致はしないのだ。

…でも。堺市博物館に、こんな垂れ幕があると、地元の期待は大きいようで。うーん、難しい。


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そして、百舌鳥古墳群についてのシアターは無料とのこと。盛り上げようという事なのだろうが、ちと嬉しい。ま、シアターに入ってみると、規模感に妙に納得したが…


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定員20名、といったところ。

映像、なかなか見応えあった。でも、映像の助けがないと、真価が見えない、ということの裏返しでもあり…その難しさを、痛感する現地逍遥だった。でも、色々考えるきっかけを貰えたのは、良かったなぁ。

【堺へ転進。】

吉野、短時間だが楽しめた。ここからは、方向転換して、大阪へ。近鉄の観光列車「青の交響曲(シンフォニー)」に乗車する。


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蒼い車体の存在感、半端ない。

ホームに停車している時から、光沢溢れるディープブルーが存在感を放っている。車内に入ると、その豪華さにビックリ!


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ゆとりの三列シートと、木目調の内装。

…が。よくよく見ると、そこここに「豪華に見せている」感がにじみ出ている。でも、特別料金210円でこれだから、「豪華列車の雰囲気を楽しませる」営業努力に拍手を送りたい。

一時間半の旅で、大阪に到着。ここからは、百舌鳥を目指す。何故?と思われるかもしれないが、ここには来年(2018年)の世界遺産登録を目指す「百舌鳥・古市古墳群」の中心をなす「仁徳天皇陵」が鎮座しているのだ。まだ登録されるかどうかはわからないが、大阪に出てくれば、押さえておきたい資産である。

ということで、青の交響曲大阪阿部野橋に到着後、地下鉄と南海を乗り継いで堺東へ。堺市役所21階展望ロビーから仁徳天皇陵を見てイメージを掴むと良い、との案内に従ってみた。

…が。もっと前方後円墳が見えると思っていたが、ただ、こんもりした森が見えるだけで、全然、全容が見えねぇよっ!これ、酷くない?


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この眺望で「前方後円墳」のイメージなんて掴めと言う方が無理だ。

ひどく騙された感を抱きながら、三国ヶ丘駅へ移動。この案内は、全くいかがかと思う。やっぱり、観光客として、観たいのは「前方後円墳の形」。それが見えないのに、「展望ロビーに登って全容を掴もう」ってのは、詐欺だべ。

世界遺産登録前に、改善を強く望みたい。真剣に。これ以上、騙される被害者を増やしたくない。

【世界遺産、吉野を歩く。】

そもそも、なぜ、吉野が世界遺産なのか。

標高千数百メートル級の急峻な山々が続く修験道の聖地の中で、紀伊山地の脊梁である大峰山脈のうち青根ヶ峯までを「吉野」、以南を「大峯」と呼ぶようになった。
吉野は古代から山岳信仰の対象であったが、修験の隆盛に伴い開祖とされる「役行者」ゆかりの聖地として重視された。
山岳での実践行を重んじる修験道では、山に入って苦行を重ねながら踏破することを「奥駈」あるいは「峯入」と称して最も重視するが、吉野、大峯はその舞台である。
つまり、役行者ゆかり、及び修験道というストーリーにより、吉野は世界遺産構成資産となっているのである。この繋がりを感じることこそ、世界遺産の本質に迫ることだと思う。

真っ先に訪れたのは、バスで一気に「奥千本」まで山を登って、金峯神社(きんぷじんじゃ)。

金峯山(吉野山から山上ヶ岳までの山々の総称)の地主神である金山毘古(金精明神)を祭神とし、吉野水分神社とともに「吉野」が信仰の山となる端緒となった神社。

…いや、ここは久々に「これが世界遺産かよっ!?」と思うくらい、めっちゃ鄙びた、というか、オンボロ神社。実は、今まで、日本の世界遺産を巡った中では、京都の「宇治上神社」が、ガッカリNo.1だったのだが、あっという間にここがトップに鎮座した。
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勿論、こじらせ世界遺産マニアとしては、「逆に、なぜ、ここが世界遺産に?」とワクワクできるが、あまりお薦めできない楽しみ方である(笑)。

ここから、道自体が世界遺産である「大峯奥駈道」を歩いて、次なる世界遺産構成資産、吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)へ。

古代の分水嶺に対する信仰を祭祀の起源とする神社で、俗に子守神社とも呼ばれている。12世紀には神仏習合によって祭神が地蔵菩薩垂迹とされ重視された。
社殿は、豊臣秀吉の意志を継いだ秀頼が慶長10年(1605)に再建したもの。

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境内、かなり広く、独特の建築様式。

ここは、だいぶ神社の奥行きがあり、歴史も感じられて面白い。鄙びた感はあるものの、風格を損なっておらず、感慨深い。せっかくなら、こうでなくてはね。

かなり山を下って、吉水神社(よしみずじんじゃ)へ。ここは、もとは吉水院と称した金峯山寺の一院。源義経が吉野潜伏の折りこの寺に起居したと伝えられ、後醍醐天皇が一時期行在所とした「南朝」の宮廷であったことでも知られる。

まず驚いたのは、この山中において、菊の御紋の提灯をかかげていること。南朝の皇居という経緯なのだろうが、その歴史の引き継ぎ、凄いなぁ。

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菊の御紋の提灯がある。

さらに、神社なのに拝観料を取るの?とビックリしたが、確認すると、吉水院の建物の拝観料とか。なるほど。弁慶思案の間、後醍醐天皇玉座、太閤秀吉花見の品、などを見ると、納得。これは見応えがある。
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後醍醐天皇玉座。


ここから、さらに下って金峯山寺(きんぷせんじ)へ。
修験道霊場である吉野の中心的伽藍として、また山岳信仰の霊地として平安時代中期以降信仰を集めてきた寺院。山上ヶ岳の大峰山寺の本堂を「山上蔵王堂」と呼ぶのに対して金峯山寺の本堂は「山下蔵王堂」と呼ぶ。

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蔵王堂の威容。

儀式により、閉門されていたのは残念だったが、信仰を集める大伽藍は十分に味わえた。かつ、桜をあしらった文様は、吉野山ならでは。

総じて面白かったが、歩く距離も、現地までの移動距離も長く、子供連れでは到底来ることが難しいと感じる。大人の場所、なのかもしれない。そう考えると、ふらり世界遺産旅で来て良かった。

【世界遺産、吉野へ。】

単身赴任3ヶ月。諸々振り返りたいのと、リフレッシュも兼ねて、「本業」世界遺産の旅に出る。

朝5時半起きの行程。疲れが溜まっているのと、一旦3時に目が覚めた(これまた疲れのせいか、最近、夜通し寝ることができない)ので、寝坊しないか不安なまま二度寝

気付いたら、8時18分!いやぁ、やっちまった!!寝過ごした!!仕事じゃないからまだいいけど、今日の予定がどうにもならなくなっちまった!!

…と、いう夢から覚めた5時29分(爆)。いや、こんな漫画みたいな展開、いらんっての。心臓に悪い…外を見ると、なかなか美しい朝ぼらけの光景。冷えた心が癒される。


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名古屋に出て、近鉄で吉野を目指す。「ん?吉野って、世界遺産?」と思われるかもしれないが、実は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産なのである。

近鉄特急、なかなか快適。ACE22000というリニューアルされた車両なので、コンセントはついてるし(事前にネットで調べたら、近鉄特急にコンセントはない!という情報だったので、車内でブログ書くにはありがたい)、トイレはウォシュレットで姿見があったり(俺には何ら役に立たないが、女性向けとしては大事なのかもしれない)、と、乗ってみないとわからない事はあるもんだ。


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ただ、名古屋から吉野って、遠いんだよな。近鉄特急3本(!)を乗り継いで、所要3時間ではなぁ。大和八木と橿原神宮で乗り換えるとは、面倒な…
と思って、調べてみたら、橿原神宮から吉野までは1067ミリの狭軌(JR在来線と同じ線路幅)なんだな。そりゃ、1435ミリの標準軌(新幹線と同じ線路幅)の近鉄名古屋から橿原神宮までの列車が乗り入れられよう筈もない。納得。やはり、疑問を抱くことにはそれなりの理由がある。腑に落ちて、よかった。

大和八木で乗り換えるは、ビスタカー。二階建て車両で一世を風靡…も、今は昔。古色蒼然たるオンボロ、と感じてしまう。そこまで乗ってきたリニューアル車両が快適だっただけに…


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といっても、乗車時間4分(!)で、橿原神宮に到着。そういや、ここ(橿原神宮)も、世界遺産の暫定リストに登録されている「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の構成資産か。でも、世界遺産が増えすぎているという批判もある中では、登録を勝ち取るのは難しいかもしれないなぁ。

吉野までの特急は、なんと二両編成!列車に乗る度、なぜか「これ何両編成?」と聞いてくる子テツの息子(4歳)が喜びそうだな(笑)。でも、JRでも地方では2両編成もあるから、そんな感じか。


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レールの幅が狭いので、当然、車内、シートも狭い。まぁ40分くらいだから問題ないか。ビスタカーと変わらない古めかしさ。

吉野は、本当に山奥。かつ、桜・紅葉の時期でないので、観光客、少ない!まぁ、それもよし。いざ、世界遺産へ。


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ケン・ロビンソン「才能を磨く」

【読了】今年35冊目読了。英国創造的教育・文化教育諮問委員会委員長を勤める筆者が、自分の素質の活かし方を書き記した一冊。

〈お薦め対象〉
自分らしく生きたい全ての人
〈お薦め度(5段階評価)〉
★★★★☆
〈実用度(5段階評価)〉
★★★☆☆

自分の問いは3つ。
『人生で留意すべきことは何か?』には「人生に違いをもたらすのは、あなたが最も大事にする何かをこれからどうやって起こすか。人生は唯一無二・自分で創造する・直線的でない。人間は、恐怖と愛の感情に支配されている」。
『エレメントの特性は何か?』には「自分の態度と情熱が重要。才能を発揮できるかどうかは機会の有無にかかっている。全体的な方向性を持つと突破できる」。
『エレメントを鍛えるにはどうすればよいか?』には「瞑想をして重要なものを確認する。人生に集中し、旅を始めて様々な道を探検する心構えを持つ。一度も試みたことがないことに、心をオープンに柔軟な姿勢でいる。」。

最近、こういった自己啓発系の本を読むたび感じるのは、「結局、手法論ではなく、心構えの刺激の参考とし、自らの体感で現実にぶつかり、磨き上げるしかないのかな」ということ。
やってみるしかない。しかし、全くいけてないやり方をするのはさすがによろしくないし、やってみるには勇気がいるので、心構えを本から参考にする。そんなところ、なんだろうな。

【簡単朝食。】

今朝は、早起きして簡単朝食。

【朝食】
・お茶漬け
・乾パン治部煮

所要5分。二食連続で包丁を使わなかったのは、初めてかも。※しかも、バタバタしてて、写真撮り忘れた。まぁ、全く見栄えしないから、いいや。

今日は、これから出掛けるので、料理はこれだけ。久々に「本業」に励みます。

【乾パン週間、完了。】

乾パン週間と位置付けて、乾パン飯を作りまくり。やっぱり治部煮は旨い。一晩寝かせると、さらにいいなぁ。

【朝食】
・ご飯
・乾パン治部煮
・キャベツとツナの炒め物
・ベーコンとキャベツスープ


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温めただけで、所要5分。最初のうちは治部煮に七味をかけていたが、わさびのほうが風味がいいなぁ。うん。

昼も、朝と同じメニュー。

【昼食】
・海苔ご飯
・乾パン治部煮
・キャベツとツナの炒め物


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所要10分。既に食いなれたモノたちなので、普通に旨い。でも、変わり映えしない。人間って、飽きっぽくて贅沢だなぁ…

今日も色々あって、疲れた。日曜が事情により仕事なので、横浜には帰らず。となると、金曜の夕飯は、当然、自炊。

【夕食】
・乾パン治部煮の卵とじ丼
・子持ちカレイの煮付け、乾パン添え
・冷や奴の味噌だれ
・ベーコンとキャベツスープ


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所要40分。包丁を使わない手抜き夕飯で、楽ちん。煮付けに乾パンは、乾パンが煮汁を吸いまくって、全然カレイに染みなかった(笑)。まぁ、一緒に食えば麩っぽいのでそれなりだが、これはないほうがいいな。70円(!)という安さに釣られて買ったが、こんなもんか。

乾パン週間、かくて終了。色々やったし、まずい飯もあったが、総じて言えば、
・それまで作らない料理にチャレンジできた
という点で、やってよかったかな、と思う。ピザ、グラタン、ハンバーグなんて、こんなきっかけでもないと作らないし。特に、グラタンは、また作りたい。

それにしても、一週間で5缶の乾パンを消費、って、三共(乾パンメーカー)か、総務課(乾パン廃棄を指示した部署)から褒められてもいいような…いや、捨てるものを勝手に使ってるだけだから、そんな訳ないわな(笑)。