世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】松浦弥太郎「自分で考えて生きよう」

今年42冊目読了。文筆家、クリエイティブディレクターの筆者が、読売新聞に連載したエッセイをまとめた一冊。


畏敬する先達がお薦めしていたので読んでみたら、なるほどこれは面白かった。そして、自分がモノに対する執着が極端に薄いことも改めて認識した・・・


「どんなことでも楽しむための工夫をしてみる。工夫をするとコツが見つかる。コツは魔法となって、わたしたちの暮らしを、きっと美しくしてくれるだろう」
「お金が嫌がることはなんだろうか。もしこんなことに友達から自分が使われたら悲しいと思うのは使い方はしない。見栄を張ったり、衝動買いとかである」
「掃除と料理、手を使うことは、思考と身体の動きが一体となり、脳の働きが活発になる。よって達成感と充実感に満たされる」
「本を読むということを、目に見えるたくさんの文字や文章を追って読もうとするのではなく、人の話を聞いてみるというふうに考えを変えるといい」
「経験と知識のなさを自覚し、自分の他はすべて教師と思う謙虚な姿勢をつらぬくといい」
「シンプルであるということは、どんなことでもわかりやすく他人に簡単に説明できること。それができるということは、自分がシンプルに考えていることであり、シンプルに行っていることであろう」
「気になることはあれこれ悩まず、人に笑われそうなことでも思うままにやってみるとよい。気が済むというのは、精神衛生上とても大切だ」
「心が込められたありがとうという言葉は、言葉をかけた数だけ、言葉をかけたそれぞれが自分の夢や希望を助けてくれる」
アメリカのドル紙幣は、丈夫で五十年は持つと聞いたことがある。綿と麻の混紡らしい。ドル紙幣というのは、紙というよりも、かなり布に近いと言ってもよいのだろう」
「見る者の文学的なイマジネーションを駆り立てることが、写真を読ませる、すなわち良い写真の条件である」
「今、若者の間では『趣味』という言葉は死語になりつつある。これから先の未来において、面倒くさいことを守っていかないと、面白いことがなくなるようにも思えて心配である」


アラフィフのオッサンとしては「歳をとるほどに子供に戻っていくとよく言われるが、中には歳をとればとるほど大人になっていく年寄りもいる。そんな年寄りはとにかく全肯定なのである。そんな全肯定という老後の生き方は、安穏な老境の秘訣かもしれない。全肯定とは争わないということでもある」「世の中年諸君。不景気や老後資金や年金問題、雇用の不安などに悩んで、しょんぼりするのではなく、七十歳になったときに花を咲かそうではないか。今、五十歳でも、あと二十年もある。そう考えたら時間はたっぷりある」。親としては「育児では、①急がない②望みをできる限りかなえて、心を満たしてあげる③子どもの苦しみと、親の自己満足を交換しない」のあたりが心に刺さったな・・・