今年14冊目読了。藤子・F・不二雄が「子どものころ、僕は”のび太”でした」と語っていたことにヒントを受け、マンガと大人たちからのメッセージをまとめた「人生を変える『ドラえもん』セレクション」。
子どもが借りたいと言ったので借りてきたが、これは大人にとっても十分に魅力的な本だ。いや、むしろ大人こそ読むべきかもしれない。
アート集団チームラボ代表・猪子寿之:「身体的に物事を認識していってください。山の中で、鳥や虫がいて、風が吹いて木が揺れてということを身体で感じられると、考える次元も、二次元から三次元四次元へと挙がっていきます。次元が上がれば、ものの見方や考え方、解決方法もまったく変わっていきます。次元を上げて、新しい世界を実感しましょう」
eスポーツプレイヤー・梅大吾:「自分が不器用な人間だなってことを自覚していたら、なおさらもう、とことんやる。他の人が諦めたところからが自分の時間だぞ」
声優・梶裕貴:「誰かを想い、『その相手のために自分は何をすべきか?』と考え、想像することで、人は成長していくもの」「失敗したっていいんです。『楽しいな』『悲しいな』という、そのひとつひとつの感情を全力で噛み締め、味わっていくことが大切です。なにごとにも本気でぶつかっていった先には、きっと素敵な未来が待っているはず。あなたは、あなたの人生の主人公なんですから」
絵本作家・亀山達矢:「心の底から思い込み自信を持つことで、自分が思っている以上の力を発揮することができるのだと思う。そして大切なのは、思い込むだけでなく、行動にうつすこと」
俳優・菅田将暉:「夢を届けるためには、自分も楽しまなきゃいけない。こっちがつまらなかったものなんて、見てる人がおもしろいはずがない」「この世界で近道を通ろうとしたやつは負ける」
プロラグビー選手・田村優:「まわりになにを言われても、ときには『お前には関係ない!』くらい強く自分を信じ、言い訳をするための逃げ場も手放して、突き進んでみてください。突き進む中で、同じ志の仲間もたくさん出来るし、その仲間たちと決めた目標を達成できることが、なにより楽しく喜びに繋がるに違いありません」
小説家・辻村深月:「相手のことを意識したり、刺激し合う中で、あなたが誰かに影響を与えることもあるでしょう。たくさんの出会いを、どうか楽しんでください」
お菓子研究家・なかしましほ:「なにが自分に向いているかは、すぐにはわかりません。まずはやりたいことに挑戦してみてください」
動画クリエイター・はなおでんがん:「世の中の常識や周りの意見に合わせるのではなく、自分の想いに素直に生きる『子どもなあなた』でいてほしいなぁ」
宇宙飛行士、医師・向井千秋:「自分の『当たり前』が相手の当たり前ではないと思って接することで、対等な関係で、おたがいを尊重し合えるいい仲間になります。いい仲間を増やせば、いいコミュニティが生まれてくる」
最後に紹介されているのが「りっぱなパパになるぞ!」なのは、編集者の意図を感じるし、アラフィフの父親として、ドラえもんを読みふけった世代として、心に刺さる…ライトだけど、けっこう良書だと感じた。