今年86冊目読了。いろいろな事情を抱えた大人の恋愛を描き出す小説。
なんかの雑誌で紹介されていたので読んでみた。人間の負の部分、背負った過去、という設定はなるほど面白いし、子どもが絡んでくるのも、アラフィフの自分には理解できる部分がある。
…ただ。いささかご都合主義に進むストーリーが少し鼻につく。好きな人は気にならないのだろうが、自分は好みではないかな。
ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き出してみる。
「読み終えてふと顔を上げたとき、現実とのあいだに生じる違和感が読書の醍醐味だ」「私はこれを書きたい。それだけじゃ足りないんだ。大切なのは、これを書くのは私しかいないという確信だよ」「断られて元々、断られなかったらラッキー、それぐらいの気持ちだよ。人間、加齢とともにどんどん図々しくなる」「子供にとっては、手を握りしめてくれる大人の存在が何にも増して大切なのだ」
「私たちぐらいの歳になると、何か新しいことを始めようとしても、つい億劫になってしまうことが多いですよね。でも、残りの人生で今日がいちばん若い日、そんなふうに考えれば、何か新しいことにチャレンジするにしても、いつだってけっして遅くないという気がしますね」「折り返し地点をすぎると、体力的にもかなりきつくなるし、走るのもどんどん大変になるでしょう。そういう歳になると、これからの残りの人生を想像して、今日がいちばん若い日だって思う」