今年81冊目読了。ベストセラー作家である筆者が、悩みを抱える一人の少年の成長を通し、人間にとって大事なことを優しく問いかけてくれる一冊。
三谷宏治お薦めの本は、安定的に良書なので安心できる。この本も、筆者らしい細かい描写と、溢れる人間愛、そして生きるうえでの大事さを問いかけてくれている。ほっこりしつつも、考えさせられる。
ネタバレ回避で、気になったフレーズを抜き出してみる。
「でも、ぼくはぼくで、君は君だ。君を励ましたり支えたりするものは、君自身の中にしかない」
「自分がおもしろいと思っていることを相手もおもしろがってくれるというのは、なんて素敵なことだろう」
「君はだめになんかなっていない。ひとりぼっちじゃない。ひとりぼっちのひとなんて、世の中には誰もいない」
「ええか。今日は一生のうちでたったいっぺんの今日なんじゃ、明日は他のいつの日とも取り替えっこのできん明日なんじゃ、大事にせぇ。ほんま、大事にせえよ、いまを、ほんま、大事にしてくれや…」
「君が話したい相手の心の扉は、ときどき閉まっているかもしれない。でも、鍵は掛かっていない。鍵を掛けられた心なんて、どこにもない」「それがほんとうに伝えたいことだったら…伝わるよ、きっと」