今年21冊目読了。人材育成、能力開発の講師として働きながら、自己実現法を編み出し、それを伝えている筆者が、悩みや問題を解決して「本当に望んでいる人生」を送ることを提唱する一冊。
やけに本屋で見かけて、ちょっと読んでみるか、と図書館で借りたのだが、一言で言うと「残念な自己啓発ウットリ本」だなぁ。
とはいえ、筆者が心理学などを相当勉強しているのはよくわかる。「『願望』は0.2秒で『言い訳』に殺される」「人間の脳のクセは①省エネ体質②ブレやすい③内省を嫌う④報酬を求める」「与えることで『安心感』『時間』『信用』を受け取る」「人間らしさとは『共感力』『信用力』『創造力』『職人力』」のあたりは、かなり共感できる。
そして「自分の枠を外す」ということについて「①自分のあり方、やり方を変える②自分の制限・限界の枠を外す③望み・願望の枠を外す④世界観の枠を外す」というステップを提唱する。まぁ、これも理解できるし「言葉、イメージ、行動が創造の三要素」というのも納得できる。
しかし、「願望=宝の在り処を描いた『地図』。その宝地図はとてもシンプルなツール」のあたりから、その実現に向けたプロセスのあたりを見るに、なんだかうんざりしてくる。正直、到底「魔法の宝地図」なんて実際にやってみる気は起きない。だったら、何か別の行動を起こしたほうがよほど生産的だ。かつ、自分が望んだ方向にしか行かない、なんて、あまりに非現実的すぎる。様々な引用を見るにつけ、セレンディピティっての、学んでるはずだろうに…
まぁ、この本が向いている人もいるのかもしれないし、それを否定することもしないが、少なくとも「自分にはまったく合わない」。なぜか。それなりに読書好きな自分が、この本を読んでいて、何度も寝落ちしそうになったから。脳レベルで拒否する本が、自分のプラスになるわけもない(笑)。
色々読んでいれば、こういうこともある、ということだ。