世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【読了】松浦弥太郎「軽くなる生き方」

今年61冊目読了。暮らしの手帖編集長の筆者が、その数奇な人生を振り返りつつ、身軽になって人生の旅をもっと楽しむことを提言する一冊。


読書会で紹介されたので、興味が湧いて読んでみた。共感できるところ、あまりピンと来ないところに二分されるのは感覚論としても、タイトルからするとかなり重い内容だと感じる。


モノの所有欲については、実によく理解できる。「いるか・いらないか、微妙なものは、断固として潔く手放す。本当に大切なものだけを、厳選して持つ。そしてかわいがる」「たとえ大切なモノであっても、必ずしももっている必要はない。頭の中や胸の中にしまっておけば、いつだって取り出せる」あたりは、本当にそう思う。


自らが生きる心構えとして「持ち味を自分一人で探そうとしない。同時に、目の前の相手の持ち味を見つけ出し、生かしてあげようと、一生懸命努力する」「一人で考える時間、もの思いにふける時間が、心身の健康をつくっていく」「選ばれたい、生かされたいと願うなら、観察する、察する力を持つ、コミュニケーションする力を持つ」「自分の秩序を守り、自分で自分を管理できれば、生き方に納得がいくし、ストレスも消えていく」「ちょっと待てよ、もしかして自分に問題があるんじゃないのか?こう考えたときにだけトラブルは解決するし、前進できる」はいずれも共感できる。特に、最後の提言は、まさにU理論で体感しているところ。


人間観、人生観もわかりやすい。「お互いがもつ価値観、根底にある思いを共有するには、一対一でなければ不可能だ」「自由を探していても自由にはなれない」「無駄な時期に詰め込んだガラクタこそ、いつか宝物に変換されるときが来る」「考えることは難しい。でも、どんなことでも、ちゃんと考えながらやらなければ、自分の力、自分の資産にはならない」は、本当に納得。


仕事のテクニック的な部分と生き様については、正直、疑問符な部分が多いが、考えさせてくれる、という点は間違いない。ただ、読むときに重いし、これをやるのもまた重い(笑)。軽い生き方はなかなか難しいようで…