ブックカバーチャレンジや、オンライン読書会をきっかけにして、何冊かの本を再読する機会を得た。まぁ、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で図書館での本の借受ができなくなった、というのも大きい要素ではあるが、ともあれ、本の再読の意義を改めて痛感した。
そもそも、自分で買った(=買う価値があると判断した)本を読む際には、基本的にボールペンでガンガン書き込みを行う。これは、斉藤孝の「3色ボールペン読書術」を使わせてもらっているもの。重要な点は赤線、気になるところは青線を引く、というのはある程度一般的なのだが、工夫としては「自分の感想を、緑で書き込んでしまう」というもの。最初は強い抵抗があったのだが、「本は、テキストが印刷されているノート」という衝撃の一文を読んで「なるほど!」と感じ、遠慮なく書き込みができるようになった。
そして、これに加えて、自主的にひとひねりしているのが、「緑色で書き込む際に、自分が読んだ年月日を書き込む」というもの。もちろん、読みながらなので、例えば20年5月25日であれば「200525」と感想の横に追記するのみ。これが、何で良いのか。それは、再読した時にわかる。
再読したときに、線が引いてあるだけでは「ああ、自分はここを大事に感じたんだな」としかわからない。しかし、緑でコメントが書かれていると、自分の思考が見えてくる。
大事なのは、ここに日付が乗っかっていることである。その頃の自分の問題意識、思考レベルがまざまざと見えてくるのだ。そのときの感覚と比較しながら読むことで「あぁ、自分は成長していない」「この点においては、思考が深まっている」など、理解できるのだ。そして、そういった感想も、もちろん余白に記入していく。
単純な再読よりも「自分の思考のフックがどのへんにあり、どう吸収しようとしたのか」が明確になる点が優れている。人間の記憶はあいまいであり、かつ、思い出そうとするときに「現在の視野からの補正」をかけてしまう。この読書法であれば、テキストとして固定された「緑色の文字」があるため、そういった補正の罠を回避することができる。
ま、ここまでマニアックな読み方をせずしても、やはり、良書の再読というのは価値がある。皆様も、本棚で長めに眠っている本があれば、ぜひ、引っ張り出して再読してみてほしい。