世界遺産マイスター/国宝の伝道師Kの「地球に感謝!」

世界遺産検定マイスター、国宝の伝道師保有の読書好き。書籍、世界遺産、国宝という切り口でご案内します。最近は「仕事の心理学」として、様々な事象を心理学的見地から考察しています。

【現場という「大きな艦」の動かし方。】

現場というものは、実に難しい部分がある(よって、苦手な人には耐えがたい環境かもしれない)。自身、どっぷりと現場勤務をした際に、リーダーから教わったことは今なお生きている。


<ポイント>
●「現場は巨大な艦」という比喩。
このときのリーダーは、別職場で現場業務に従事していたことから、現場の特性をよく見極めていらっしゃった。
特に覚えているのは「現場は巨大な艦。小さなボートであれば、舵を切ればすぐにそちらへ曲がるが、タンカーのようなものなので、舵を切ってもなかなかそちらに進まない。我慢して舵を切り続けて、ようやくそちらに曲がっていく」という教え。
なるほど肌感覚としても納得である。


●先を見据えて舵を切る。
上記より「指示をしても、すぐに最前線まで行き渡るわけではない。じっくり取り組んで、舵を切った方向に動かしていく」という覚悟がリーダーに求められる。しかも、舵を切ったタイミングと、実際に曲がりだすタイミングには「遅れ」が生じるので、先を見据えて「この時期に舵を切り、この時期に曲がり始める」ということを想定しながら、まさに「舵取り」をすることが求められる。


<問題の所在>
●目先にとらわれすぎ、長期的視野を失う。
人間は、どうしても目先の成果を追いたがる。それは、自分の行動が適切だったという安心を手早く確定させたいから。
しかし、「自分の行動は適切だったのか?」という不安に耐え、自らの信じるところを拠り所にして行動することでしか、中長期的な「果実」を得ることはできない。


自己満足に陥ることなく、不安に耐える。それには、視野を広げる日々の自己鍛錬と、精神修養が欠かせない。


自戒の念を込めて。